今日は先日5月31日と6月1日に日比谷公園で観た日比谷音楽祭2025のレポートを書いていきます。
ライブ情報
- イベント名:日比谷音楽祭2025
- 会場:日比谷公園/東京ミッドタウン日比谷
- 公演日:2025年5月31日(土),6月1日(日)
はじめに・・・
日比谷音楽祭は2019年から始まった無料の音楽フェスで、2020年は新型コロナ禍の影響で開催が中止されたけど2021年は無観客のオンライン生配信で開催。
コロナ禍前年に始まったフェスなので紆余曲折がありましたが、2025年で6回目を迎えます。
クラウドファンディング中心に資金を集め、ジャンルや世代を超えてライブパフォーマンスや様々な体験ブースで音楽を無料で楽しめるイベントです。
私も毎年ささやかながら毎回クラウドファンディングに参加しています。
フェスのコンセプトは下記です。
音楽の新しい循環をみんなでつくる、フリーでボーダーレスな音楽祭
日比谷音楽祭は、日本の野外コンサートの歴史をつくってきた音楽の聖地「野音」を擁する日比谷公園で、素晴らしい音楽を体験できる、誰もに開かれた音楽イベントです。
日比谷音楽祭2025 (HIBIYA MUSIC FESTIVAL) Concept コンセプト
音楽の聴き方が多様化している現代、音楽業界のお金の新しい循環モデル・実験の場にしようとの考えで、アメリカ・ニューヨークのセントラルパークで毎年開催される無料の音楽祭「サマーステージ」がモデルとなったとのこと。
そして今年は改修工事のため今の野音(日比谷公園大音楽堂)が使われる最後の年。
とにかくこの野音のセッションが凄まじい倍率で3年間応募し続けてますが1回も当選せず。
野音は2,000~3,000人のキャパで、2024年の来場者数が17万5,000人程度と考え、来場者の8割が期間中に3回開催されるセッション全てに応募すると、2~3%程度の確率です。
3回のいずれか当選となると3倍の確率になりますがそれでも狭き門。
カップルから親子連れから友人と共にフラッと一人でも気軽に参加でき、老若男女幅広く音楽好きが集まり、フェスの趣旨を理解しながら楽しむ人が増えてるなぁと感じます。
野音以外にも毎年、充実したステージが準備されていますが、今年は特に参加アーティストの地名度が高いと感じました。
その辺りも含めてレポートに書いていきます。
ライブ・レポート
天気は初日5月31日は雨、二日目は晴れで、二日目はかなりの混雑が予想されました。
初日も興味のあるアーティストさんがいることと、空いている状況で見られそうなので今年は二日とも行ってきました。
日本のライブではしょうがないのですがアーティスト撮影は禁止。ブログ向けに場の雰囲気が伝わる写真をもっと撮っておけば良かったなと少々後悔。
5月31日 (1日目)
今日の個人的な目的は、角銅真実・Homecomings・日食なつこ、この3組のアーティストに興味深々でした。
角銅真実 Band Set
13:30から野音以外で一番スペースの広い芝生広場で角銅真実 Band Setを見ました。このフェスの良いところはバンドのライブ直前のリハーサル風景が観れるところです。
今回も少し早くステージ前に行ったのでバンドセッションを観れました。
角銅さんは2024年のミュージックマガジンで[Contact]がベストアルバムに選出されていて聴いててたのですが、音源だとチルでアンビエントな異国情緒のある不思議な音楽で、キャッチーという訳ではないけど、静かで聴き心地は良いのでもっぱら寝る時のナイトミュージックとして聴いてました。
今回はバンドセットということで、どうライブやるのかが楽しみでした。
ドラム、ウッドベース、チェロ、ギターをバックに角銅さんはラップスティールギター?とマリンバを巧みに操り、バンドアンサンブルでぐいぐいグルーヴの渦を作っていきます。歌物として聴かせたり、楽器の一部として聴かせるヴォーカルも特徴的です。
曲によっては変拍子を使った曲に角銅さんのインストとチェロでメロディを乗せるといった感じで聴きごたえのある演奏だった。
スリーピングミュージックなんてとんでもない位のふつふつと熱気を感じる演奏で、5月にしては結構寒く小雨降る中に静かで心地よい中に熱さもある演奏に聴き惚れました。
角銅さんのメディア写真はあまり笑顔が見えないのでどういう人かなと思いましたが、MCはほとんどないですが終始にこやかに演奏してバンドと聴き手と音楽でコミュニケーションを取るような雰囲気も良かった。
天気だったら3倍位のオーディエンスがいたと思いますが、前から三列目という位置で聴けたこともあり好きなアーティストになりました。
Homecomings
16:15から芝生広場でHomecomingsが演奏します。
バンドはリラックスして演奏してたように見え、メンバーそれぞれが色気を持ってて音のイメージと合った凛とした佇まいはキャリアと個性を積み上げてきたオーラがステージから伝わってきます。
雨なのと15分程前から場所取りしてたので、前方で見れ、生で間近で演奏者の表情や見ながら聴くのはやっぱり良いなぁと感じます。
2024年リリースのアルバム[see you,frail angel. sea adore you.]からの曲が多かったです。
アコースティック形式と言ってたので、単独ライブではシューゲイズな爆音を交えて少し違うスタイルが観れるのでしょう。
突き抜けるような一聴して覚えられるメロディと派手なサウンドでグイグイ聴き手をひっぱていくのではなく、淡く柔らかい世界を作り出していくのがこのバンドのスタイルと感じました。
音源の透明感のある映像的なサウンドを良い感じに現わしていて、タイトなリズム隊にギターが淡く響いてきて、ライブで聴くとさらにバンドの良さが伝わります。
演奏中の天気は傘がなくても良い程度の霧雨がふりつつも風は穏やかで、天候もHomecomingsの詩的な世界を際立たせるべく味方してました。
セトリは、slowboat ~ angel near you ~ US ~ Air と言った感じです。
淡いトーンのどちらかというとモノクロを基調とした色彩感のあるサウンドと歌詞で行間まで聴かせるようなロックバンドに出会えて収穫でした。
日食なつこ
18時からはミッドタウン1Fエントランス前のステップ広場で日食なつこを観ました。
歌詞にメッセージ性があって気になってたアーティストです。
広場の前の階段も人で埋まってしまう程の
日食さんはMCでオーディエンスをぐいぐい引き込みながら歌とピアノを聴かせるシンガーです。
ミッドタウン日比谷の近くには宝塚劇場がありますが、そこの男形俳優のようにジェントルに相手をリードしていくタイプ。(あくまでイメージ。)
そして屋外でもとても歌詞が聴き取りやすかった。情報量多い昨今のシンガーの中でこれは稀有な存在です。
バンド形式でなく、エレピ弾き語りなので個人的には今一つ刺さらなかった、というかとにかく5月末にしては寒かったのが原因。
身体が冷たくなるほどで風も強く小雨も降ってたので天候がよければもっとステージと歌に集中できたのに、と少し残念。
野外ステージは天候によってマジックが生み出されるのですが、こうなってしまうとちょっとキツイです。
今年は寒暖差が激しく、慣れている人はちゃんと厚手の上着を持ってくるようですが、日比谷という都会でも野外ライブを楽しむための天候、気温をチェックして前もって準備する必要があります。
日食さんは「私のライブは撮影OKだよ。だけど思い出にしないでどこかに必ずアップしてね!できれば動画で!」とここでも男前なコメント。
このブログに載せたかったのですが、両腕を上げないと撮影できない後ろの人達に迷惑を掛ける位置だったのでだったので控えました。
寂しいですが写真のみアップします。
観客の中には固定ファンらしき人も多くいて、8月のZeppHanedaがソールドアウトと言ってて人気のある人なんだなぁと感じました。
このレベルのアーティストが日比谷音楽祭に野音以外のステージに出るのもちょっと意外だなと感じます。
帰りに2024年のアルバムをサブスクで聴いてたらライブてやったのが4曲程入ってて、歌詞もやっぱり良くてファンが付くのも納得します。
セトリは、風、花、ノイズ、街 ~ エピゴウネ ~ 夕闇絵画 ~ vacancy ~ 閃光弾とハレーション ~ 水流のロック でした。
6月1日 (2日目)
2日目は少し曇り交じりながらも気温も暑からず寒からず心地よい穏やかな晴天になりました。例年の日比谷音楽祭らしい、フェス日和の天気です。
今日の目的は、Hana-Hope、柴田聡子です。
どちらも近くで観てみたい今が旬のアーティストです。
Hana Hope
前日一日中降り続けた雨でぬかるみが気になる地表が土の観覧場所はベニヤ板?を敷き詰めてくれ、なんとか快適に観れるようになってました。
Hana Hopeはメジャーファーストアルバム[Between The Stars]が2025年春にリリースされ話題になってるので、かなり混雑するかと思い15分前にはステージ前に行きましたがさほど混んでませんでした。ただライブ後にはかなりの人だかりになってました。
前から7列目くらいの位置で、近い将来にスーパースターになるべきアーティストのパフォーマンスを至近距離でしっかり観させてもらいました。
生まれながらのスターのオーラと抜群のヴィジュアルを間近で観れ、歌が上手いのは当たり前で、若さと持ち前の明るさで親近感を感じるMCもできる人です。
ラストの曲が彼女の曲で人気のある「サマータイム・ブルース」をやったのですがこれが多幸感あふれるR&Bフィーリングが醸し出して、自然と体が動いて高揚感が出てくるパフォーマンスでした。
30分という短い時間で、バラエティ豊かな持ち曲を味方にして起承転結というかメリハリ作って観客に充実感とエンタメ感ある盛り上げ方が既に堂に入っていて素晴らしかったです。
セトリは、We've Come So Far ~ 旅のゆくえ ~ flowers ~ フリーバード ~ Undaid ~ サマータイム・ブルース
と、アルバム[Between The Stars]の人気曲が中心でした。
JIMIHENDRIXXX a.k.a. 渋谷慶一郎
どんなのだろうと思い、15:30からの公演広場のDJ JIMIHENDRIXXX a.k.a. 渋谷慶一郎を観ます。
クラシック、ポップス、ジャズ、ロックと幅広いジャンルのフェスですが、たまたま私が観てなかっただけかもしれないですが、こいいうDJスタイルは珍しいと思いました。
このフェスに来る人は慣れてない人もいると思いますが、ハードなEDMは聴いてるうちに高揚感が高まってきます。
初めはステージ近くはまばらなだった群衆も途中から周辺で観てる人が面白がって集まってきて結構な人だかりが出来て、踊ってる人もかなり多くなりました。
やっぱりアッパーで踊れるEDMは強いなと感じました。
柴田聡子
健康広場に戻り今回のフェスの一番の個人的な目玉の柴田聡子を17:30から観ます。
8月のZepp Sinjukuのライブを観たかったけど気付いた時には既に完売という、旬で人気の実力派アーティストです。
17時頃からリハーサルというよりもサウンドチェックを兼ねた弾き語りライブを始めていて17時過ぎに会場に行くと既にたくさんの群衆。
今や実力派人気アーティストとして認知されているのでかなりの人が見に来て、人気と知名度を痛感します。
今回は柴田さんのアコギ、エレピの弾き語りライブです。
セトリは2024年のアルバム[Your Favorite Things]を中心に新旧織り交ぜた選曲でした。
Synergy ~ Reebok ~ いきすぎた友達 ~ 雑感 ~ 後悔 ~ Movie Light ~ Your Favorite Things
というセットリストです。
曲紹介以外にほとんどMCはなかったですが、音源での実験的なアプローチは感じさせない、シンプルなコード弾きのクリアーなトーンのギターをバックに歌、曲をストレートに伝えます。とにかくこの人の声が大好きなのでこれはこれで嬉しい。
時折早口で歌うので歌詞が聴き取りにくいところがあるけど曲の中にフックとなるキーワードがあって耳に残るので個性的で面白いシンガー・ソング・ライターだと痛感します。
淡々としすぎて地味だったかなと感じましたが、サウンドと柔らかく優しくヴォーカルと時にはチクっとささる歌詞が日曜日の夕暮れ時にピッタリでした。
後半雨が降り出して柴田さんが濡れだした観客を気にしながらのライブでした。
今日はあえてこの弾き語りスタイルで、興味持ったら聴いてね、観に来てね、という柴田さんからのメッセージが伝わってくるようなライブでした。
単独ライブでは違う面が観れそうなのでいつか行きたいです。
民謡クルセイダーズ
18:00からの公園広場ではフェスの大トリは民謡クルセイダーズ。
柴田聡子を観てから移動するとかなりの人だかりで盛り上がってました。
2023年にも音楽祭には出てましたのでその時に観た人もたくさんいたかもしれません。私はその時はROTH BART BARONと時間が微妙にバッティングしていて観れませんでした。
ワールドミュージックというか日本の民謡グループは個人的にあまりピンと来てなかったけど、単なる民謡ではないラテンな要素を取り入れて、観客を楽しませて踊らせるには何をやるかという盛り上げ方を熟知している民謡パーティーグループです。
ステージ前の踊ってる人も多く、ちょっと輪に入ってみようかと一緒に行った友人と近くに移動して適当に踊りだすとかなり楽しい。
音楽を楽しむというよりも皆で盛り上がって踊って楽しむという感じで音楽の本質というか根本的な楽しさを実感させてくれました。
大トリだけに許された5分だけのアンコール延長で1曲だけ追加でやってくれました。
おわりに・・・
日比谷音楽祭の実行委員長、総合プロデューサーの亀田誠治さんの作品自体は私自身これぞという思い入れのある作品はないですが、我々が無料で楽しむ裏には、スポンサー企業の調整や出演アーティストとの音楽祭の意義を伝える会話や配信やクラウドファンディングの活動資金の調達等、想像を超えた苦労があると思います。
亀田さんを始めとしたスタッフの熱意と構想/企画力と信念に共感したアーティストと企業が協賛し、年々成長し観客が集まり愛されていくのだなと感じました。
特定のライブやフェスだと同じ位の年代の人しか集まらないことが多いですが、若い人からシニアの方から家族連れまで世代に関わらずたくさんの人が音楽を通して参加しているのが本当にピースフルで微笑ましいです。
日比谷音楽祭ファンにはこれがないと夏を迎えられないという位の重要なイベントなのでいつまでも続いて欲しいです。
そして観客にとっては楽しいイベントでも亀田さんはじめスタッフには音楽を日本に広めるためのビジネス意義を含んだチャレンジという場であることを意識して今後も楽しみ参加したいです。
ちょっと残念なのが日本のエンタメ界の慣習ですがアーティスト写真・動画撮影がNGなこと。日食なつこさんが例外的に本人許可でOKしてましたが、一部OKにしてくれればSNS中心にイベントの拡散度が上がるのになぁと感じます。
ではまた。
最後まで見ていただきありがとうございました!
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