音楽は新譜中心に聴くことが多いのですが、温故知新として名作アルバムからも紹介したいと思います。
聴く機会がなくて最近やっと聴けだ名盤の感想とともに、これぞ!という曲をピックアップして紹介していきます。
今日はStevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)の Master Blaster (Jammin')(マスター・ブラスター)です。
[Master Blaster]は[Master of Rasta]をもじっていて「ラスタの精通者、師匠」という意味だそうです。
そしてラスタとはレゲエの基本思想であるラスタファリズムという1930年からジャマイカで広まった宗教的、信仰的運動やその思想を持つ人のことを指しています。
スティーヴィーがレゲエを取り入れた曲ということが一聴して分かります。
歌詞と和訳だけ見たい方は下の目次の「歌詞/和訳」クリックしてください。
ザ・トラック・オブ・ザ・デイ
- トラック名: Master Blaster (Jammin') (マスター・ブラスター)
- アーティスト名: Stevie Wonder (スティーヴィー・ワンダー)
- 収録アルバム: Hotter Than July (ホッター・ザン・ジュライ) *Track 6
- アルバムリリース日:1980年9月29日
スティーヴィー・ワンダーはアメリカ合衆国ミシガン州サギノー出身のシンガー・ソング・ライターです。
今日は1980年9月29日にリリースされた19枚目のオリジナル・アルバム「Hotter Than July (ホッター・ザン・ジュライ)」から、6曲目の[Master Blaster (Jammin')]です。
スティーヴィーといえば[Songs in the Key of Life (1976)]を始めとした1970年代の作品がキャリアの頂点として有名ですが、実は私は未聴です。
私が聴いたことがある作品は学生時代にリアルタイムで聴いた1980年代中期以降の作品で、1980年の今作は後追いで聴きました。
今作はスティーヴィー・ワンダーの名作で、ヴァラエティに富んでおり、曲間にブレイクがなくスムーズです。
どれもメロディもリズムもポップで聴きやすい曲が並んでいます。
ファンク、ディスコっぽい1曲目の[Did I Hear You Say You Love Me]
AOR的なスムーズな聴き心地の2曲目の[All I Do], 3曲目の[Rocket Love]
そしてとりわけ9曲目のバラード[Lately]とポップスのスタンダードとなっている10曲目[Happy Birthday]が有名です。
そしてこの[Master Blaster (Jammin')]はアルバムからの第一弾シングルでビルボードシングルチャートの5位を記録した曲です。
レゲエを取り上げて話題となり、当時ファンの間で賛否両論があったようです。
スティーヴィーの歌詞はあまり奇をてらったところがなく比較的分かりやすい曲が多く、英詞を追っても内容が伝わりやすく日本人にとっては英語の勉強にはもってこいの歌が多いです。
今更ながらスティーヴィーの作品に触れて万人の心にフィットする曲を作る人だと改めて感じました。
そんなアナログレコードだとB面の1曲目に位置し、当時リスナーに驚きを与えたヒット曲を訳してみます。
なお英詞は"genius.com"から引用し、Apple Musicから補足しています。
和訳後の感想は歌詞の下に記載しています。
Stevie Wonder Master Blaster (Jammin)
歌詞/和訳
Title : Master Blaster (Jammin')
Producer : Stevie Wonder
Writer : Stevie Wonder
[Verse 1]
Everyone's feeling pretty
It's hotter than July
Though the world's full of problems
They couldn't touch us even if they tried
From the park, I hear rhythms
Marley's hot on the box
Tonight, there will be a party
On the corner at the end of the block
みんな気分は上々だ
7月の暑さよりも熱気がある
世界中、問題が絶えないけど
奴らがやろうとしても俺たちを邪魔することはできない
公園からリズムが聴こえてくる
ボブ・マーリーのホットな音楽が流れている
今夜、パーティーがあるんだ
この地区の端っこの角で
[Chorus]
Didn't know you
Would be jammin' until the break of dawn
Bet you nobody ever told you that you
Would be jammin' until the break of dawn
Would be jammin' and jammin' and jammin', jam on
夜明けまで音楽に乗って盛り上がるなんて思ってなかったろ
きっと夜夜明けまで音楽に乗って盛り上がれるなんて誰も言わなかったろう
盛り上がって楽しんで乗りまくろう
[Verse 2]
They want us to join their fighting
But our answer today
Is to let all our worries
Like the breeze through our fingers slip away
Peace has come to Zimbabwe
Third World's right on the one
Now's the time for celebration
'Cause we've only just begun
奴らは俺たちに奴らの戦争に加わって欲しいんだ
だけど今の俺たちはしたいのはすり抜けるそよ風のようにすべての心配事を洗い流すことだ
ジンバブエに平和が訪れた
第三世界はまさに今、
そう今が祝福の時だ
だって俺たちは今始まったばかりだから
[Chorus]
Didn't know that you
Would be jammin' until the break of dawn
Bet you nobody ever told you that you
Would be jammin' until the break of dawn
Bet you nobody ever told you that you
(We're in the middle of the makin's of the master blaster jammin')
Would be jammin' until the break of dawn
I know nobody told you that you
(We're in the middle of the makin's of the master blaster jammin')
Would be jammin' until the the break of dawn
We're jammin', jammin', jammin', jam on
夜明けまで音楽に乗って盛り上がるなんて思ってなかったろ
きっと夜夜明けまで音楽に乗って盛り上がれるなんて誰か話したことあったか
きっと夜夜明けまで音楽に乗って盛り上がれるなんて誰か話したことあったか
(俺たちはマスターブラスタージャムセッションの真っ最中だ)
誰も俺たちが夜夜明けまで音楽に乗って盛り上がれるなんて言わなかったろう
(俺たちはマスターブラスタージャムセッションの真っ最中だ)
盛り上がって楽しんで乗りまくろう
[Verse 3]
You ask me, am I happy?
Well as matter of fact
I can say that I'm ecstatic ((escatic 恍惚とした、有頂天になった、われを忘れた (by 英辞郎)))
'Cause we all just made a pact ((pact 〔協力・停戦などのための〕条約、協定 (by 英辞郎)))
We've agreed to get together
Joined as children in Jah
When you're moving in the positive
Your destination is the brightest star
俺が幸せかって?
実際のところ
俺は熱狂的な気分だ
だって俺たち誓いあったばかりだ
団結することに同意したんだ
神の子供のように団結しているんだ
君が前向きでいるとき
行き先には最高に明るい星が輝いているんだ
[Chorus]
You didn't know that you
(We're in the middle of the makin's of the master blaster jammin')
Would be jammin' until the break of dawn
Bet you nobody ever told you that you
(We're in the middle of the makin's of the master blaster jammin')
Would be jammin' until the break of dawn
Oh, oh, oh, oh, oh, you
(We're in the middle of the makin's of the master blaster jammin')
Would be jammin' until the break of dawn
Don't you stop the music, oh no, no, no, baby, baby
(We're in the middle of the makin's of the master blaster jammin')
Na, no, na na, na na na
(We're in the middle of the makin's of the master blaster jammin')
No, no, no, baby, nobody told you, oh, oh, oh, you
(We're in the middle of the makin's of the master blaster jammin')
Would be jammin' until the break of dawn
夜明けまで音楽に乗って盛り上がるなんて思わなかったろ
(俺たちはマスターブラスタージャムセッションの真っ最中だ)
きっと夜夜明けまで音楽に乗って盛り上がれるなんて誰が言わなかったろう
(俺たちはマスターブラスタージャムセッションの真っ最中だ)
夜明けまで音楽に乗って盛り上がるんだ
(俺たちはマスターブラスタージャムセッションの真っ最中だ)
夜明けまで音楽に乗って盛り上がるんだ
音楽を止めないでくれ
(俺たちはマスターブラスタージャムセッションの真っ最中だ)
(俺たちはマスターブラスタージャムセッションの真っ最中だ)
きっと夜夜明けまで音楽に乗って盛り上がれるなんて誰も言わなかったろう
[Outro]
I bet you if someone approached you
(We're in the middle of the makin's of the master blaster jammin')
Yesterday to tell you that you would be jammin'
You would not believe it
Because you never thought that you'd be jammin'
Oh, oh, oh, oh
(We're in the middle of the makin's of the master blaster jammin')
Jammin' 'til the break of dawn
Oh, oh
You may as well believe what you are feeling
(We're in the middle of the makin's of the master blaster jammin')
Because you feel your body jammin'
(We're in the middle of the makin's of the master blaster jammin')
Oh, oh, you would be jammin' until the break of dawn
Oh, oh, whoo, whoo
(We're in the middle of the makin's of the master blaster jammin')
Baby, baby, baby, baby
(We're in the middle of the makin's of the master blaster jammin')
誰かが君に近づいてきたなら
(俺たちはマスターブラスタージャムセッションの真っ最中だ)
昨日だったら夜夜明けまで音楽に乗って盛り上がれるなんて信じられなかったろう
だって音楽に乗って盛り上がれるなんて考えられなかったんだから
(俺たちはマスターブラスタージャムセッションの真っ最中だ)
君が今感じていることを信じるんだ
(俺たちはマスターブラスタージャムセッションの真っ最中だ)
音楽に乗って盛り上がるんだ
(俺たちはマスターブラスタージャムセッションの真っ最中だ)
(俺たちはマスターブラスタージャムセッションの真っ最中だ)
トラック・インプレッション
[Jammin']はボブ・マーリーの曲のタイトルでもあり、ボブを讃える曲ですね。
この曲の後半のスティーヴィーのヴォーカルはかなり即興で聴いているとリズミカルで良いのですが、訳していると文字と睨めっこしながら軽くイライラしてきました(ꐦ°᷄д°᷅)
レゲエのリズムとボブへの讃歌、そして「ジャミン」という言葉の響きにインスパイアされた曲のようにこの曲のコーラス部の歌詞のお祭りのように賑やかで楽しい曲です。
レゲエに格別な思い入れがない私は、ボブ・マーリーはレゲエの教祖という以前に素晴らしいシンガー・ソング・ライターだと思います。
それもレノン/マッカートニーやスティーヴィーのように。
なので歌詞にもボブの名前が出てくるこのレゲエ・ナンバーは直接的ではないがボブとスティーヴィーのコラボのようで、レゲエ・ミュージックという以前に極上のポップ・ナンバーだと感じてます。
ではまた。