歌詞和訳 〜キラクにキママにマジメにホンヤク〜

洋楽ときどき邦楽。好きな歌の和訳に歌の解説とエピソードを。思い出も添えて。

【歌詞和訳】Glasgow - Pale Waves

今日はPale Waves(ペール・ウェーヴス)の2024年7月12日にリリースされたシングル[Glasgow (グラスゴー)]を和訳してみます。


歌詞と和訳だけ見たい方は下の目次の「歌詞/和訳」クリックしてください。

 

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ザ・トラック・オブ・ザ・デイ

  • 曲名: Glasgow (グラスゴー)
  • バンド名: Pale Waves(ペール・ウェーヴス)
  • 収録アルバム: Smitten(スミトゥン)  *Track 1
  • アルバムリリース日:2024年9月27日

 

Pale Waves(ペール・ウェーヴス)は、イギリスはマンチェスター出身のインディ・ポップ・ロック・バンドです。

この曲[Glasgow (グラスゴー)]は2024年9月27日にリリースされた4枚目のオリジナル・アルバム[Smitten(スミトゥン)]からの2枚目の先行シングルでアルバムには1曲目に収録されてます。


アルバムタイトルの[Smitten]って不思議な響きを持つ単語です。
私だけでしょうけどついつい「スミトゥン スミトゥン」と口に出てしまうほど心地よい響きです。
意味は「打ちのめされた、殴られた」のようで、イギリスでは俗語で「ぞっこん惚れ込んだ」「夢中」という意味があり、ノックアウトされてしまうくらい魅了された、という感じでしょう。なるほど心地よい響きのはずだ。

これもどうでも良いのですが[Pale Waves]って日本だとカタカナにするのが難しいバンド名です。
「ペイル・ウェイヴス」が一番本来の発音に近いと思うのですが少し悩みました。
ここではウェブ等のメディアで多く使われている「ペール・ウェーヴス」で記載します。


ペール・ウェーヴスは、2022年にリリースされた3作目のアルバム[Unwanted]で好きになりました。
何よりも曲がキャッチーで曲が粒揃いで覚えやすいけどイギリスのバンドらしくどこか憂いや湿り気も感じます。アルバムはUKチャートで4位まで上昇しましたね。

そしてなんといってもヴォーカル/ギターのヘザー・バロン・グレイシーです。
声良しヴィジュアル良しで今注目のヴォーカリスト。
そしてメイン・ソングライターです。


1,2作目は後追いで聴いたのですが、その頃はゴスっぽさが強くて不思議な人という印象があったのですが、アルバム[Unwanted]のMVを見るとゴスっぽさを少し後退させて彼女が本来持つ女性的な魅力を出してきて目を惹くカッコいい人だなと見入ってしまいました。


そんなThe 1975やウルフ・アリス、リナ・サワヤマも所属するイギリスの音楽シーンをリードするレーベル DIRTY HITからのそろそろ世界へ勝負を打って出る4作目のアルバムからのシングル曲を聴いてみます。


タイトルのグラスゴーはイギリスのスコットランド南西部にある有名な都市です。
ペール・ウェーヴスの歌詞を書いているのはヘザーのようなのですが、彼女はランカシャー出身のようなのでグラスゴーにゆかりがある訳ではなさそうです。

歌詞を気にしなければ「ポップで意思を感じる」曲です。

そんな今が旬のバンドの勝負作からのシングル曲を聴いてみます。
はたしてどんな歌詞の曲でしょう。

 

なお英詞は"genius.com"から引用し、Official Videoから補足しています。

和訳後の感想や曲のエピソードは歌詞の下に記載しています。


Pale Waves - Glasgow (Official)

 

歌詞/和訳

Title : Glasgow
Producer : Simon Oscroft & Iain Berryman
Writer : Heather Baron-Gracie & Simon Oscroft


[Verse 1]
Oh no, it didn't take much convincing *1
'Cause I was doing more feeling than thinking
And I just met your brother, the start of the summer
He warned me about you, we drank in the pouring rain
One glass of wine and somehow *2  you changed


すぐ確信してしまった
考えるより先に感じたから
夏の初めに君の兄に会った時
君のことを警告してた、私達が土砂降りの雨の中で
ワインを飲んだら、君は変わってしまった


[Chorus]
When I left you in Glasgow
I remember crying all the way home
Yeah, I had to go and get myself out of there
Oh, 'cause there was nothing left
Nothing left for us to repair

君とグラスゴーで別れてから
帰り道でずっと泣いていた
出て行かなければならなかった
そう、何も出来なかった
私達はどうすることも出来なかった


[Post-Chorus]
Ooh, ooh, ooh
No, no, oh

[Verse 2]
I love the city 'cause it's all or nothing
It's always cold, but it's oh so loving
You also were born that way, that's the trouble you face
You were losing your balance and I had to run away
And I wondered if it was a mistake

この街が好きだ、全てでもあり何もないところが
冷たいんけどどこか愛しい
君もそんな感じで、そこが君の問題点でもある
バランスが崩れてしまったから、出て行かなければならなかった
私の間違いだろうかと思ったりするけど


[Chorus]
When I left you in Glasgow
I remember crying all the way home
Yeah, I had to go and get myself out of there
Oh, 'cause there was nothing left
Nothing left for us to repair

君とグラスゴーで別れてから
帰り道でずっと泣いていた
出て行かなければならなかった
そう、何も出来なかった
私達はどうすることも出来なかった


[Post-Chorus]
Ooh, ooh, ooh
No, no, oh
Ooh, ooh, ooh
No, no, oh

[Chorus]
When I left you in Glasgow
I remember crying all the way home
Yeah, I had to go and get myself out of there
Oh, 'cause there was nothing left
Nothing left for us to repair

君とグラスゴーで別れてから
帰り道でずっと泣いていた
出て行かなければならなかった
そう、何も出来なかった
私達はどうすることも出来なかった


[Post-Chorus]
Ooh, ooh, ooh
No, no, oh
Ooh, ooh, ooh
No, no, oh

 

トラック・インプレッション

前作[Unwanted]の曲はポップで弾けた曲が多かったですが、ポップさは残しながらもパーソナルで自己を深く掘り下げてグッと大人っぽくなった印象を受けます。

ヘザーはこの曲について音楽メディアの[Dork]で次のように語ってます。

“Glasgow is my favourite from ‘Smitten’. It’s about leaving someone because you know it’s no good for either of you anymore. It somehow breaks my heart but also makes me feel so euphoric at the same time.”

[Smitten]の中でGlasgowが一番のお気に入りです。もうお互いにとって良くないことだとわかって、別れるという内容です。心が張り裂けるような気持ちになりますが、同時にとても幸せな気持ちにもなります。

Pale Waves have dropped new 'Smitten' breakup single 'Glasgow' | Dork

 

好きなんだけど別れざるを得なかった、分かれて悲しいけど清々しさもある、そんな気持ちを考えて和訳してみました。

この曲は歌詞の世界をうまく表現しているMVが秀逸です。

ヘザーが田舎町を車で走るロマンティックで絵画的な光景とポップなメロディ、そしてブリティッシュロックの持つダークで湿度のある感覚がミックスされることで光と影を映し出すような、そんなMVになってます。

MVではウェディングベールを纏ったヘザーが車に乗り、どこか悲しい表情で車を運転する、最後の方では悔しがったり笑顔も見せたり複雑な表情を見せながら最後はベールを捨てて車は去り去っていく。

終わったことで痛みを感じても、前に進むべき時と感じた時の気持ちを曲とMVにしたような、そんな瞬間の空気感が閉じ込められた曲です。

 

You were losing your balance and I had to run away
君がバランスを崩して、私は出ていかなければならなかった

Nothing left for us to repair
私たちにはもう修復不可能

歌詞のこの部分は、同性愛者であることをカミングアウトしているヘザーなので歌詞の相手のモデルは同性である可能性もありどこか複雑な匂いがする歌詞になってます。

 

ペール・ウェーヴスの他の曲の歌詞和訳は下記にも書いてますので良かったらどうぞ!

Pale Waves (ペール・ウェーヴス) カテゴリーの記事一覧 - 歌詞和訳 〜キラクにキママにマジメにホンヤク〜

 

最後まで見て頂きありがとうございました!

ではまた。

 

 

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