歌詞和訳 〜キラクにキママにマジメにホンヤク〜

洋楽ときどき邦楽。好きな歌の和訳に歌の解説とエピソードを。思い出も添えて。

【歌詞和訳】Thinking About You - Pale Waves

今日はPale Waves(ペール・ウェーヴス)の2024年9月13日にリリースされたシングル[Thinking About You (シンキング・アバウト・ユー)]を和訳してみます。


歌詞と和訳だけ見たい方は下の目次の「歌詞/和訳」クリックしてください。

 

Smitten

ザ・トラック・オブ・ザ・デイ

  • 曲名: Thinking About You (シンキング・アバウト・ユー)
  • バンド名: Pale Waves(ペール・ウェーヴス)
  • 収録アルバム: Smitten(スミトゥン)  *Track 4
  • アルバムリリース日:2024年9月27日

 

Pale Waves(ペール・ウェーヴス)は、イギリスはマンチェスター出身のオルタナティヴ・ポップ・ロック・バンドです。

この曲[Thinking About You (シンキング・アバウト・ユー)]は2024年9月27日にリリースされた4枚目のオリジナル・アルバム[Smitten(スミトゥン)]からの4枚目の先行シングルとして2024年9月13日にリリースされ、アルバムには4曲目に収録されてます。


アルバムの評価はおおむね良いようで 総合レビュー蓄積サイトのmetacritic の現時点での総合評価は 77 です。
高評価のメディアでは、歌詞は率直でクイアの恋愛の感情をうまく率直に歌っていて、サウンド面は80,90年代の懐かしさと今の新しさを融合しているというものがあり、悪い評価は無いようで中間評価をしているメディアではサウンドが単純で歌詞が甘いという批評が見られました。


本国イギリスでのチャートアクションが気になるところです。

 

バンドにとってこのアルバムは自信作に仕上がったようで、アルバムの曲には全部複数のバージョンがあり何度も何度も作り直されて、様々な変化を経て出来上がったようです。

そんな努力もあってか、今までイギリスの先輩バンドやポップ・パンク・バンドの陰がちらついてましたが今回は自然体でペール・ウェーヴスらしさが最も出たアルバムになったと思います。
前作のシンガロング感満載のポップ・パンクアルバム[Unwanted]を断然支持して好きになったバンドでしたが今はこのアルバムが一番好きになりました。


アルバムを通して感じるのがクイアでありながらも様々が人が共感できるような誰もが経験するような恋愛の歌詞と80,90年代のポップでドリーミングなフィーリングのメロディアスな曲が多く、ソングライティング面でのさらなる成長も実感します。


そしてこのアルバム、往来のポップさは変わらずで、なんかすごく優しいんです。
どちらかというとオシャレなイギリスのロック・バンドという印象だったのでこんな優しい雰囲気のバンドだったけという点が嬉しい意外性でした。

 

アルバム通してミドルテンポの曲が多く後半少しダレるかなと最初は感じましたが、何度も聴くうちにそれがこのアルバムの統一感であり世界観であることに気づき、まさにSmitten(打ちのめされた、ぞっこん惚れ込んだ、夢中な)というテーマを崩さず一気に聴き通せてついつい何度もリピートしてしまう、新たなペール・ウェーヴス・ワールドに浸れる作品になってます。

前半は一聴して引き込まれるシングルとして目立つ曲が中心ですが、後半は少し地味だけど何度も聴くと今までのファンが更に好きになりそうなメロディの優しさに愛着が湧いてくる曲が揃ってます。
特にラスト2曲[Imagination],[Slow]はアルバムが終わりに近づく寂しさをポップに彩るようなノリの良さと爽やかさがあり、個人的にツボで絶品でした。

 

今回は前半の曲を中心に和訳しましたが、機会があったら後半の曲も和訳してみたいです。


そしてそんなアルバムトータルの世界観を作る一番の個性がヴォーカリストのヘザー・バロン・グレイシーであり、今まではゴスな綺麗なお姉さんという、まずはヴィジュアルありきという印象でしたが、最新フォトを見たりインタビューを読むとアーティストとしてヴォーカリストとして本当に逞しくなったなと感じます。
今作はフェイクのかけ方やバックのリバーブをかけたコーラスがすごくタイミングよく綺麗で印象的です。

どの人に似てるという言い方はよくないとは分かりつつも、ヴィジュアルはブロンディのデボラ・ハリーの妖艶さ、声は似てないですがシンガーとしての芯の強さがプリテンダーズのクリッシーハインドをミックスしたような存在感を出すようになりました。
もう1,2作のアルバムを重ねていくうちに独自のカリスマ性を持つようなりそうな、そんな期待感がさらに膨らみます。


曲のタイトルの直訳は「あなたのことを考えています」です。
歌詞を気にしなければ「アルバムの中では一番スローなバラードタイプ」な曲です。

はたしてどんな歌詞の曲でしょう。

 

なお英詞は"genius.com"から引用し、Official Videoのヒアリングで補足しています。

和訳後の感想や曲のエピソードは歌詞の下に記載しています。

 


Pale Waves - Thinking About You (Official)

 

歌詞/和訳

Title : Thinking About You
Producer : imon Oscroft & Iain Berryman
Writer : Heather Baron-Gracie & Simon Oscroft


[Verse 1]
I learnt your body like it was my own
Told you my stories nobody else knows
Maybe we didn't try hard enough

自分の体と同じようにあなたのも覚えたし
誰にも話してない話をあなたに伝えた
私たち努力がたりなかったのかな


[Verse 2]
Have you got a new girl, is she your world?
I'm not so sure what I want more
Maybe we didn't try hard enough

新しい彼女できた? あなたの全てなの?
私は何が欲しいのかわからない
私たち努力がたりなかったのかな


[Chorus]
I'm still thinking about you
I'm still thinking about you
Tell me, tell me, do you remember?
Do the feelings linger? *1

I'm still thinking about you
I'm still thinking about you
Tell me, tell me, do you remember?

まだあなたのことを考えている
私はまだあなたのことを考えているんだ
教えて、教えてよ、覚えてる?
私のことまだ思ってくれてるかな
まだあなたのことを考えている
私はまだあなたのことを考えているんだ
教えて、教えてよ、覚えてる?


[Verse 3]
I call your sister from time to time  *2

She lets me know you're doing just fine
And I wish we tried a little more

時々あなたの妹に電話すると
あなたは元気だと教えてくれる
私たち努力がたりなかったのかな


[Bridge]
And I know I've asked you before
Do you think about me at all?

前にもあなたに聞いたよね
私のこと、少しでも思い出してくれてるかな


[Chorus]
'Cause I'm still thinking about you
I'm still thinking about you
Tell me, tell me, do you remember?
Do the feelings linger?
I'm still thinking about you
I'm still thinking about you
Tell me, tell me, do you remember?

まだあなたのことを考えている
私はまだあなたのことを考えているんだ
教えて、教えてよ、覚えてる?
私のことまだ思ってくれてるかな
まだあなたのことを考えている
私はまだあなたのことを考えているんだ
教えて、教えてよ、覚えてる?


[Outro]
And I know I've asked you before
Do you think about me at all?
And I know I shouldn't call
Do you think about me at all?

前にもあなたに聞いたよね
私のこと、少しでも考えてくれてるかな
電話してはいけないってわかってるけど
少しでも考えてくれてるの?

 

トラック・インプレッション

ヴォーカリストのヘザーは"clashmusic"でこの曲について以下のように語ってます。

’Thinking About You’ is about a situation when someone leaves and you can’t quite fully move on yet. You know you should and that it’ll be better for you in the long run, but it’s harder and more painful than it seems…

— via Clash


「Thinking About You」は、誰かが去って、まだ完全に立ち直れない状況について歌った曲。立ち直るべきだとわかっていて、長い目で見ればそのほうが自分にとって良いことだとわかっていても、それは思ったより難しくて辛いこと…

 

Pale Waves Share New Single 'Thinking About You' | News | Clash Magazine Music News, Reviews & Interviews

 

気持ちはわかるな。
誰かと別れてしまったけどその人のことをまだ想っているのだけどどうにもならない。

その人との関係は両想いだったけどまだ深く付き合ってなかった末の別れだったり、片思いのどちらであっても、もう会えないと思うとこんなメランコリックな気分になるんじゃないかな。
メランコリックで清々しいけど、やるせなさやどうしようもできないもどかしい気分が伝わってきます。


歌詞を見ると振った相手は彼女の方だったように感じます。
そして振った相手は自分とは違う思いで何事もなく生活していて、自分のことなんてもう忘れてしまったと感じてしまうでしょう。

そんな相手への気持ちが[Tell me, tell me, do you remember (教えて、覚えてる?)] や [Do you think about me at all? (私のこと少しでも考えてくれてるかな)] という歌詞に現れています。

聴く人に過去の別れたパートナーを思い出させるような、その時、自分はどっちの立場だったっけ、どう考えていただろうとか、今自分はどう思っているか、と色々考えてしまう曲です。


ペール・ウェーヴスの他の曲の歌詞和訳は下記にも書いてますので良かったらどうぞ!

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最後まで見て頂きありがとうございました!

ではまた。

 

 

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*1:linger 残存する、後に残る、いつまでも残る、長引く、なかなか消えない <by 英辞郎>

*2:from time to time 時々 <by 英辞郎>