今日はEminem(エミネム)の2024年7月12日にリリースされた12枚目のオリジナル・アルバム「The Death of Slim Shady (Coup De Grâce) (デス・オブ・スリム・シェイディ (クープ・デ・グレイス))」から19曲目の「Somebody Save Me (サムバディ・セイヴ・ミー)」です。
アルバムからの3枚目のシングル曲です。
直訳すると「誰かが私を助ける」ですね。
歌詞を気にしなければ「ラップとサンプリング曲の相性が抜群」な曲です。
はたしてどんな歌詞の曲でしょう。
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Eminem (エミネム) カテゴリーの記事一覧 - 歌詞和訳 〜キラクにキママにマジメにホンヤク〜
ザ・トラック・オブ・ザ・デイ
- トラック名: Somebody Save Me (サムバディ・セイヴ・ミー)
- アーティスト名: Eminem feat. Jelly Roll (エミネム feat. ジェリー・ロール)
- 収録アルバム: The Death of Slim Shady (Coup De Grâce) *Track 19
- アルバムリリース日:2024年7月12日
Eminem(エミネム)は、アメリカはミズーリ出身のラッパーです。
そして今回のアルバムタイトルは「The Death of Slim Shady (スリム・シェイディの死)」で、副題の[Coup De Grâce]はフランス語で「とどめ[最後]の一撃」を意味します。
[Slim Shady(スリム・シェイディ)]とはエミネムが作り上げた自身の別人格の分身であり道化師的存在で、今回のアルバムジャケットはスリム・シェイディの顔です。
アルバムのトレーラー映像は3種類用意されています。
丁度スリム・シェイディの誕生から死までを暗示しているようなものです。
- 角が生えていて舌が二つに割れている悪魔の姿をした赤ん坊が生まれるスリム・シェイディの誕生の瞬間と思われるもの。
- スリム・シェイディの後ろ姿と思われる人物がの地下室に縛られ閉じ込めているもの。
- [SLIM SHADY 1997 - 2024]と彫り込まれた墓石に唾を吐く人物が現れるもの。
今回のアルバムは、エミネムのキャリア初期から登場し、何かと物議を醸すスリム・シェイディというキャラクターに別れを告げることをテーマしたコンセプトアルバムで、エミネム自身も曲順通りに聴いてほしいとコメントしています。
エミネムとスリム・シェイディの両方の長所を融合させ、自身の悪評やふざけた行為を取り上げており、分身であるスリム・シェイディに対して過去の過ちや懺悔とともに葬り去るようなリリックも垣間見え、長年その辛辣な歌詞や態度でポップ・カルチャーを悩ませてきた悪名高きキャラクターへのオマージュに近い作品となっています。
先日はアルバムからのリードトラックである[Houdini(フーディニ)]の和訳は紹介しましたので、今回は最後に収録されたトラックを紹介します。
なお英詞は"genius.com"から引用し、Apple Musicから補足しています。
Eminem - Somebody Save Me (feat. Jelly Roll) [Official Audio]
歌詞/和訳
Title : Somebody Save Me
Producer : benny blanco, Emile Haynie & Eminem
Writer : Eminem, Luis Resto, Emile Haynie, benny blanco, David Ray & Jelly Roll
[Intro: Eminem & Alaina]
Daddy?
Huh?
Food's here
Kept buyin' and see who gets it
Come eat
Alaina, I'm so tired
Just come eat
Alaina, I'll be there in a minute, I promise
Stop
But wake up
Shut the door
(アライナ) パパ?
(エミネム) 何だ?
(アライナ) 食べ物が届いたよ
(エミネム) 買ったものだし誰がそれを持ってきたか見てたよ
(アライナ) パパも食べな
(エミネム) アライナ、パパはとても疲れてるんだ
(アライナ) 一緒に食べようよ
(エミネム) アライナ、すぐ行くから待ってな
(エミネム) やめろよ
(アライナ) 起きて!
(エミネム) 出てってくれ!
[Chorus: Jelly Roll]
Somebody save me
Me from myself
I've spent so long livin' in hell
誰か助けてくれ
俺を助けれくれ
ずっと地獄にいるんだ
[Verse 1: Eminem]
Another pill as I start to spiral
Message to my daughters
I don't even deserve the father title
Hailie, I'm so sorry
I know I wasn't there for your first guitar recital
Didn't walk you down the aisle
Missed the birth of your first child
Your first podcast, lookin' down, sweetie
I'm so proud of how you turned out
Sorry that I chose drugs and put 'em above you
Sorry that I didn't love you enough to
Give 'em up, how the fuck do
I not love you more than a pill?
Lookin' up to the ceilin' from this floor, wonder will
悪循環に陥り、また1錠飲んでしまう
娘たちへのメッセージ
父親にふさわしくないなんてとても言えない
ヘイリー、ごめん
君の初めてのギター演奏会に行けなかったよ
結婚式で教会の側廊を一緒に歩けなかった
最初の子が生まれた日にも行けなかった
君の最初のポッドキャスト、俺は下を向いていた、娘よ
君がこうして成長したことを誇りに思ってる
君より薬を優先させてしまい申し訳ない
君をしっかり愛せずに申し訳ない
薬をやめてしまったら、一体どうしたらいいんだ
俺は君より薬が好きなのか?
天井を見上げながら、不思議に思うんだ
[Chorus: Jelly Roll]
Somebody save me
Me from myself?
I've spent so long livin' in hell
They say my lifestyle
Is bad for my health
It's the only thing that seems to help
誰か助けてくれ
俺を助けれくれ
ずっと地獄にいるんだ
みんな俺の生き方が不健康だって言うけど
そう言われることが唯一の救いなんだ
[Verse 2: Eminem]
Alaina, sorry that you had to hear me fall in the bathroom
Sorry that I missed your gradu—, wait, Nate, I should just congratulate you
On bein' a dad to Carter and Liam, look at you*1
I'm a lost cause*2
Baby, don't waste your time on me
I'm so damaged beyond repair
Life has shattered my hopes and my dreams
I'm a lost cause
Baby, don't waste your time on me
I'm so damaged beyond repair
Life has shattered my hopes and my dreams
俺はもう駄目だ
ベイビー、俺にもう構わないでくれ
もう取り返しがつかない程に傷ついている
人生に希望も夢もない
もう駄目だんだ
ベイビー、俺にもう構わないでくれ
もう取り返しがつかない程に傷ついている
人生に希望も夢もない
トラック・インプレッション
アルバム最後のトラック「Somebody Save Me」のリリックは薬物依存について掘り下げており、2007年に過剰摂取で命を落としかけた経験とエミネムが薬物から完全に抜け出せず、その結果、家族との多くの大事な節目を逃したパーソナルな現実を描いています。
幼少時代の娘とエミネム自身が会話する音声から始まり、父親として至らなかった若き自分に対する後悔の念と、3人娘ヘイリー、アレイナ、スティーヴィーへ詫びるメッセージを歌います。
血縁のある娘のヘイリーへは彼女の初めてのギター演奏会や結婚式に行けなかったこと、義理の妹の娘であるアライナへは一緒に食事に誘われたことを断ったりトイレで大きな音を立てて転んで驚かせてしまったこと、妻(ヘイリーの母親のキム)とは別の交際相手との娘であるスティーヴィーへは彼女が子供の頃に何もできなかったことへの後悔の念が歌われています。
そして元ネタはJelly Roll(ジェリー・ロール)の同名の曲です。
この曲自体もアルコールとタバコの依存について絶望感を歌った胸を締め付けられるような名曲ですが、エミネムとのこのコラボ曲は実体験に基づいたパーソナルな体験をそのままスピットするエミネムのラップを乗せることでより苦痛や絶望感がよりリアルに感じられる名コラボになっています。
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ではまた。