歌詞和訳 〜キラクにキママにマジメにホンヤク〜

洋楽ときどき邦楽。好きな歌の和訳に歌の解説とエピソードを。思い出も添えて。

歌詞和訳:Don't Forget Me - Red Hot Chili Peppers

今日はRed Hot Chili Peppers (レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)の Don't Forget Me(ドント・フォーゲット・ミー)です。
直訳は「俺を忘れるな」ですね。

 

歌詞と和訳だけ見たい方は下の目次の「歌詞/和訳」クリックしてください。

 

 

ザ・トラック・オブ・ザ・デイ

 

レッチリが5月に来日しますね。
私も5月20日のチケットを取りました。アッという間に後1週間です。

今日は彼らの2002年リリースの8枚目のアルバム「By The Way (バイ・ザ・ウェイ)」からです。
デビューアルバムが1984年リリースで、大ヒット作「ブラッド・シュガー・セックス・マジック」が1991年リリースです。

そう考えるとこの時点でかれこれ結成から20年近い月日が経っていて、さすがにいつまでもやんちゃなロック・バンドではないよな、ということになります。

私のような1989年「Mother Milk(母乳)」の頃から彼らを聴いている人間にはこの感覚がマヒしてしまいます。
もう中堅どころか立派なベテラン・バンドになった彼らの作品はここの辺りかな、と思っています。

このアルバムは前作[Californication]より更に弾けるようなファンクナンバーが少なくなり、よりメロディアスな曲が多くなりました。

ただ曲の完成度が只者じゃなく、その点ではいまだにレッチリ1のアルバムだと思ってます。

ロディアスな曲もアメリカンな感じじゃなくて日本人の好きな愁いがあるメロディです。

この時代になるとロックに限らずジャンルのミクスチャーが当たり前になり、レッチリはその点において到達したので、アメリカだけでなくヨーロッパのマーケットも視野に入れてバンドの幅を広げる変化であるなら大歓迎とさえ思いました。

 

このアルバムは、3曲目の[This Is the Place]から7曲目の有名曲[Can't Stop]までの流れが神だと思っていて、今回はその流れの真ん中にある5曲目[Don't Forget Me]です。

バラードっぽい曲なのですが、ジョン・フルシアンテのギターソロも含めて妙にサイケぽく、なまめかしさもあって気になっていました。

そんな不思議なスローソングを改めて聴いてみます。

和訳後の感想は歌詞の下に記載しています。

 

紹介する動画は映像も綺麗で音も良い素晴らしいライブ・バージョンです。


RHCP - Don't Forget Me LIVE (Frusciante is incredible !)

 

歌詞/和訳

[Verse 1]
I'm an ocean in your bedroom
Make you feel warm, make you wanna resume
Now we know it all for sure

俺はお前の海のようなベッドルーム
温かくて回復させる気持ちにするよ
そう、わかるよね

[Verse 2]
I'm a dance hall, dirty breakbeat
Make the snow fall up from underneath your feet
Not alone, I'll be there, tell me when you want to go

俺はダンスホールで、汚いブレイクビーツ
お前の足元から雪を降らすよ
一人じゃないよ、お前の行きたいところに俺は行くよ

[Guitar Solo 1]

[Verse 3]
I'm a meth lab(*1), first rehab (*2)
Take it all off and step inside the running cab
There's a love that knows the way

俺は覚醒剤の製造所で、最初のリハビリなんだ
すべて脱いで、その走っているタクシーに足を踏み入れよう
その方法を知っている愛があるんだ

[Verse 4]
I'm the rainbow in your jail cell
All the memories of everything you've ever smelled
Not alone, I'll be there, tell me when you want to go

俺はお前の刑務所の独房の虹なんだ
お前が今まで嗅いだすべての思い出
一人じゃないよ、お前の行きたいところに俺は行くよ

[Chorus]
(So)
(Sideways fallin', more will be revealed, my friend)
(Sideways fallin')
Don't forget me, I can't hide it
(More will be revealed, my friend)
Come again, get me excited
(more will be revealed, my friend)

(横倒しに滑っていく、もっと明らかになるよ、友よ)
(横倒しに滑っていく)
俺を忘れないでくれ、それは隠すことはできない
(もっと明らかになるだろう、友よ)
また、俺を興奮させてくれ
(もっと明らかになるだろう、友よ)

[Guitar Solo 2]

[Verse 5]
I'm an inbred(*3) and a pothead(*4)
Two legs that you spread inside the tool shed (*5)
Now we know it all for sure

俺は生まれつきの常習者なんだ
道具小屋でお前が広げた二本の足
そう、わかるよね

[Verse 6]
I could show you to the free field(*6)
Overcome and more will always be revealed
Not alone, I'll be there, tell me when you wanna go

お前をフリーフィールド (*4)に連れていけるよ
克服すれば、もっと明らかになるだろう
一人じゃないよ、お前の行きたいところに俺は行くよ

[Chorus]
(So)
(Sideways fallin', more will be revealed, my friend)
(Sideways fallin')
Don't forget me, I can't hide it
(More will be revealed, my friend)
Come again, make me excited

(そして)
(横倒しに滑っていく、もっと明らかになるだろう、友よ)
(横倒しに滑っていく)
俺を忘れないでくれ、それは隠すことはできない
(もっと明らかになるだろう、友よ)
また、俺を興奮させてくれ

(Oh-oh)
(Sideways fallin', more will be revealed, my friend)
(Sideways fallin')
Don't forget me, I can't hide it
(More will be revealed, my friend)
There's a match, now let me light it


(ああ...)
(横倒しに滑っていく、もっと明らかになるだろう、友よ)
(横倒しに滑っていく)
俺を忘れないでくれ、それは隠すことはできない
(もっと明らかになるだろう、友よ)
また、俺を興奮させてくれ
マッチがあるよ、火をつけてみましょう

 

注釈

(*1) meth lab
     塩酸メタンフェタミンの精製場所、覚醒剤の製造所。
     アメリカでは人家などで違法に塩酸メタンフェタミンを作っているあらゆる場所を指す (From 英辞郎)
(*2) rehab  厚生施設
(*3) inbred 生まれつきの、持ち前の
(*4) pothead マリフアナ常用者
(*5) Two legs that you spread inside the tool shed
    今回は「道具小屋でお前が広げた二本の足」と訳したがドラッグ治療のため身体を縛られ固定されることを意味していると思われる。
(*6) コンピュータ用語では、レコード中の相対位置に関わりなくそれぞれ独自の意味を持つフィールドとのことだが、簡単にいえば周囲の障害物等の物質等から影響を受けることない特別な空間を意味していると思う

 

トラック・インプレッション

始めのヴァースでは柔らかなラヴ・ソングかなと感じましたが、だんだん雲行きが怪しくなってきます。

これはドラッグの歌ですね。
前回の「Otherside」に引き続き狙った訳ではないのですがドラッグの歌を和訳してしまいました。

比喩的なものも多いですが、時には直接的にドラッグを匂わせる言葉が現れてきます。
ここでの"I(俺)"は、ドラッグであり、"YOU(お前)"はドラッグに溺れる奴をさしているのでしょう。
ドラッグに溺れてリハビリをして刑務所に入ってる奴に対して、いつまでも追ってくるドラッグの誘惑だったり魔力を歌っています。

それにしても海外のアーティスト、特にロック系ヒップホップ系はドラッグの曲が多いですね。
あからさまにドラッグをテーマにした曲があります。J-POPではまずありえないです。
日本に住んでいるとあまり現実味を帯びませんが、アメリカやヨーロッパでは日常生活に入り込んでいてそれだけに深刻な問題なのでしょう。

ではまた。