今日はLinkin Park(リンキン・パーク)の2024年9月6日にリリースされた7年振りの新曲[The Emptiness Machine (ジ・エンプティネス・マシン)]を和訳してみます。
歌詞と和訳だけ見たい方は下の目次の「歌詞/和訳」クリックしてください。
ザ・トラック・オブ・ザ・デイ
- 曲名: The Emptiness Machine (ジ・エンプティネス・マシン)
- バンド名: Linkin Park(リンキン・パーク)
- 収録アルバム: From Zero (フロム・ゼロ) *Track 2
- シングルリリース日:2024年9月6日
Linkin Park(リンキン・パーク)は、アメリカはカリフォルニア州ロサンゼルス出身のオルタナティブ・メタル・バンドです。
この曲[EThe Emptiness Machine (ジ・エンプティネス・マシン)]は2024年11月15日リリース予定のアルバムの2曲目に収録され、先行配信曲として2024年9月6日にリリースされました。
実に7年振りの新曲となり、前ヴォーカリスト チェスター・ベニントン亡き後初めての曲で、Dead Saraというバンドにいたエミリー・アームストロングを共同ボーカルに、日本の One OK Rockのソングライティングやプロデュースをしたこともあるコリン・ブリテンをドラマーに迎えての新体制となります。
2017年のチェスターの悲劇の死の後、バンドは活動を休止してましたが、バンドメンバーのマイク・シノダ(Vo,MC,Gt,Key)、ブラッド・デルソン(Gt)、デイヴ・ファーレル(B)、ジョー・ハーン(DJ)はバンド再始動のためという訳ではなく、仲間意識を取り戻し一緒に過ごす時間を過ごす目的で再会を始め、その輪の中に新メンバーがはいり、バンドとの親和性と自然なケミストリーが生まれたことでバンド再始動に繋がったようです。
[OTOTOY]のサイトで、マイク・シノダも新メンバーとの再始動と最新アルバムに下記のようにコメントしてます。
サウンド的にも感情的にも、このアルバムは過去、現在、未来について歌っているんだ。新旧のバンドメンバー、友人、家族、そしてファンへの深い感謝の気持ちを込めて作ったんだ。僕たちは長年に渡ってLINKIN PARKが歩んで来た道を誇りに思い、これからの旅路にワクワクしているんだ。エミリーとコリンと一緒に仕事をすればするほど、彼らの世界レベルの才能、一体感、自分たちが創り出したものを堪能することができた。新しいメンバーと一緒に作ったエネルギーと活気に満ちた新しい音楽で、本当に力をもらったと感じている。僕たちは、これまで知られてきたサウンドのタッチポイントを織り交ぜながら、まだ新しいタッチポイントを探求しているんだ」
そしてアルバムタイトルの[FROM ZERO]について、LINKIN PARKの前身バンドXeroから取っていて、彼らの始まりと、現在続いている旅の両方を意味しているとのこと。
一時的な再始動ではなく、今後バンドが継続していくことを示唆するコメントをしてます。
曲のタイトルの直訳は「空虚な機械」です。特にスラングとか特別な意味はないようです。
歌詞を気にしなければ「ストレートなハードロックだがリンキンぽさはある」曲です。
このブログでは最近はサブちゃんとかビーさんとか今時のメインストリーム・ポップ/ロックを和訳してますが、私は中学時代からロック少年、それもハードロック小僧だったのでこういった大物バンドの復活は嬉しくなります。
とはいってもリンキンは当然、古典的なハードロックバンドじゃないし私がすっかり良い大人になった時にデビューしたバンドですが...
そんな聴く前から久しぶりに血が騒いでしまう新曲を聴いてみます。
なお英詞は"genius.com"から引用し、Official Videoから補足しています。
和訳後の感想や曲のエピソードは歌詞の下に記載しています。
The Emptiness Machine (Official Music Video) - Linkin Park
何時まで配信されるかわかりませんが、Live動画は下記です。
エミリーを含むバンドの今が見れます。
The Enptiness Machine (Live) - Linkin Park
歌詞/和訳
Title : The Emptiness Machine
Producer : Mike Shinoda
Writer : Mike Shinoda, Brad Delson & Dave Farrell
[Verse 1: Mike Shinoda]
Your blades are sharpened with precision*1
Flashing your favorite point of view
I know you're waiting in the distance
Just like you always do, just like you always do
お前の刃は精密に研がれて
お気に入りの考えを閃き続けてる
遠くで待ち構えてるんだろう
いつもと同じように、いつもお前がやるように
[Pre-Chorus: Mike Shinoda]
Already pulling me in
Already under my skin
And I know exactly how this ends, I
既に私を引き付けてる
体の中に潜んでる
結末は分かってる、私には...
[Chorus: Mike Shinoda]
Let you cut me open just to watch me bleed
Gave up who I am for who you wanted me to be
Don't know why I'm hopin' for what I won't receive
Fallin' for the promise of the emptiness machine
The emptiness machine
私を切り裂さいて、血を流すのを見るだけなんだろ
お前が望む奴になろうと自分自身を捨てたんだ
私が手に入らないものを望んでいる理由が分からない
価値のない機械の誓いの契約に取りつかれてるんだ
無駄な機械のね
[Verse 2: Emily Armstrong, Emily Armstrong & Mike Shinoda]
Goin' around like a revolver
It's been decided how we lose
'Cause there's a fire under the altar
I keep on lyin' to, I keep on lyin' to
リボルバーのように動き回ってる
私達の負けは確定している
祭壇の下には炎が燃えてるから
私は嘘をつき続ける、嘘をつき続ける
[Pre-Chorus: Mike Shinoda & Emily Armstrong]
Already pulling me in
Already under my skin
And I know exactly how this ends, I
既に私を引き付けてる
体の中に潜んでる
結末は分かってる、私には...
[Chorus: Emily Armstrong]
Let you cut me open just to watch me bleed
Gave up who I am for who you wanted me to be
Don't know why I'm hopin' for what I won't receive
Fallin' for the promise of the emptiness machine
私を切り裂さいて、血を流すのを見るだけなんだろ
お前が望む奴になろうと自分自身を捨てたんだ
私が手に入らないものを望んでいる理由が分からない
価値のない機械の誓いの契約に取りつかれてるんだ
無駄な機械のね
[Bridge: Mike Shinoda, Mike Shinoda & Emily Armstrong]
I only wanted to be part of something
I only wanted to be part of, part of
I only wanted to be part of something
I only wanted to be part of, part of
I only wanted to be part of something
I only wanted to be part
私は何かの一部になりたかっただけ
私は一部になりたかっただけ、そう一部
私は何かの一部になりたかっただけ
私は一部になりたかっただけ
ただ一部に
[Chorus: Emily Armstrong]
I let you cut me open just to watch me bleed
Gave up who I am for who you wanted me to be
Don't know why I'm hopin', so fuckin' naive
Fallin' for the promise of the emptiness machine
The emptiness machine
私を切り裂さいて、血を流すのを見るだけなんだろ
お前が望む奴になろうと自分自身を捨てたんだ
私が手に入らないものを望んでいる理由が分からない
価値のない機械の誓いの契約に取りつかれてるんだ
無駄な機械のね
[Outro: Mike Shinoda & Emily Armstrong]
(I only wanted to be part of something)
The emptiness machine, oh
(I only wanted to be part of)
The emptiness machine
(私は何かの一部になりたかっただけ)
空虚な機械
(私は何かの一部になりたかっただけ)
価値のない機械
トラック・インプレッション
意外や意外にリンキンにしては普通のハードロックソングです。
ドラムのエイトビートがちょっと変則的ですが、マイク・シノダのヴォーカルもラップではなく、エレクトロ・ヒップホップ要素も無く、どう受け止められるかが気になるところです。
超名曲かというと.....ですが、再始動の挨拶代わりの一発目としては勢いのある曲です。
[The Emptiness Machine (空虚な機械)の]言葉だけのイメージは、特別な目的もなく動いている無益な機械、関わるとその虚無に巻き込まれて抜け出せなくなるといった印象を受けました。
歌詞はというと嫌な奴に睨まれ支配されてしまいどうにも抜け出せなくなった人間の悲劇、と感じました。
仕事絡みだとパワハラ受難ソングといったところでしょうか。
そんな単純じゃないかな...
いずれにせよ社会(企業)の歯車と化してしまい、企業の目的や理念に縛られ個々のアイデンティを失う等、仕事と絡めて聴いてみると面白いと思いました。
社会全体の枠組みや恋愛関係や家庭生活にも置き換えられる歌詞です。
ブリッジとアウトロで繰り返し歌われる、
I only wanted to be part of something
(私は何かの一部になりたかっただけ)
をどうとらえるで変わってきそうです。
支配させる相手に魅せられてしまい相手の一部になりたいという渇望なのか、それとも支配から抜け出し呪縛から逃れないのか、二つの解釈ができると思いました。
そしてこの曲、新メンバーのエミリー・アームストロングのヴォーカルがなかなか良いです。
それなりにキャリアを積んだシンガーのようで新世代の感覚の新しいヴォーカリストという印象はないですが、ヘイルストームのリジー・ヘイルのような力強さに加えて艶やかさをも感じさせるヴォーカルと長髪ブロンドのヴィジュアルが目を引きます。
PVではとても雰囲気が良く存在感があるのですが、Youtubeのライブ動画を見るとちょっとチェスターを意識しているのかな...と感じ、過去曲はまだこなれてないし自分のものにしていくのはまだこれからなのかもしれません。
後任が女性ヴォーカリストという方向性を過去に示したバンドはあり、目新しい訳ではないですが、バンドのこれからが楽しみと感じさせる変化を感じました。
Youtubeライブを見ると、やっぱりチェスター時代の独特の物悲しさがなく寂しいなと感じたりしますが、過去作はさておきエミリー中心にバンドの未来を考えるとワクワク感が優先するのがミソです。
チェスターはもうバンドに戻ることは出来ないので、彼のいるリンキンを聴きたければ前の作品を聴くしかないですし、今後のリンキンにデビュー時のような斬新な音楽性というのは期待できないかもしれないですが、新たなフェーズに進んでいこうとする気概と可能性は感じました。
これから始まるツアーと11月にリリースされる新アルバムで新生リンキンが明らかになって来るだろうけど、これだけの大物バンドが活動を再開するにはとてつもないプレッシャーがあったと思います。
それでも気持ちを新たに前に進む選択をしたところにまずは拍手を送りたいです。
そんな一曲でした。
最後まで見て頂きありがとうございました!
ではまた。
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