今日はRed Hot Chilli Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)の Otherside (アザーサイド)です。
直訳は「反対側、向こう側」です。
通常は、[other side]と間にスペースがはいります。
また、《the other side》とすると、「あの世、天国、死後の世界」を意味します。
歌詞と和訳だけ見たい方は下の目次の「歌詞/和訳」クリックしてください。
ザ・トラック・オブ・ザ・デイ
- トラック名: Otherside (アザーサイド)
- バンド名: Red Hot Chilli Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)
- 収録アルバム: Californication (カルフォルニケーション) *Track 4
- アルバムリリース日:1999年6月8日
今日は彼らの一番売れた大ヒットアルバム。
1999年リリースの7枚目のアルバム[Californication] から[Otherside]です。
この曲は全米シングル・チャートで最高位14位を記録した彼らの代表曲の一つです。
[Blood Sugar Sex Magik]でロック界での地位を固めたレッチリが間に[One Hot Minute]を挟んでリリースした作品です。
初め聴いた時はずいぶんイメージチェンジしたなぁ、と感じたのを覚えてます。
だけどアッパーな曲と哀愁味の美メロの曲の完成度が高くて路線自体嫌いではなかったです。
[Blood Sugar Sex Magik]がファンクとロックのミクスチャーに一つの区切りをつけた大傑作だったので、バンドが変化していくための必要な方向転換かなと思いました。
[Blood Sugar Sex Magik]からアルバム毎に1曲ずつピックアップしながら和訳を書いていますが、このアルバムは選曲に迷いました。
迷ったら一番好きな曲ということで、ネットでググればたくさん和訳がでてくる[Otherside]です。
書き終わった後に、そんな有名曲を他の方がどのように和訳しているのか見比べるのもよいかなと、思い訳しました。
和訳後の解説は歌詞の下に記載しています。
Red Hot Chili Peppers - Otherside [Official Music Video]
歌詞/和訳
[Chorus]
How long, how long will I slide?
Well, separate my side
I don't, I don't believe it's bad
Slit my throat, it's all I ever
俺はいつまで、どれくらい長く滑っていくんだ ?
そうだ、俺から離れてくれ
そうじゃない、俺はそれが悪いとは思わない
俺は喉を切り裂く、それが今までのすべてだ
[Verse 1]
I heard your voice through a photograph
I thought it up(*1) it brought up the past
Once you know you can never go back
I gotta take it on the otherside
俺は写真を見てたらおまえの声が聞こえた
俺が過去のことを思い出した
お前は一度知ってしまうと後戻りはできないよな
俺は向こう側に持って行かなきゃ
[Verse 2]
Well, centuries are what it meant to me
A cemetery where I marry the sea
A stranger thing could never change my mind
I gotta take it on the otherside
まあ、何世紀も俺にとって意味するものは、
俺が海と結婚する墓場
奇妙なことが俺の考えを変えることは決してない
俺は向こう側に持って行かなきゃ
[Pre-Chorus]
Take it on the otherside
Take it on, take it on
向こう側に持って行ってれ
持って行ってれ、持って行ってれ
[Chorus]
How long, how long will I slide?
separate my side
I don't, I don't believe it's bad
slit(*2) my throat, it's all I ever
俺はいつまで、どれくらい長く滑っていくんだ ?
そうだ、俺から離れてくれ
そうじゃない、俺はそれが悪いとは思わない
俺は喉を切り開いた、それが今までのすべてだ
[Verse 3]
Pour my life into a paper cup
The ashtray's full and I'm spillin'(*3) my guts
She want to know am I still a slut?
I gotta take it on the otherside
俺の命を紙コップに注いでる
灰皿がいっぱいで、俺の内臓が溢れ出る
彼女はまだふしだらな女なのか知りたがっている
俺は向こう側に持って行かなきゃ
[Verse 4]
A scarlet starlet(*5) and she's in my bed
A candidate for the soul mate bled
Mmm, push the trigger and I pull the thread(*4)
I gotta take it on the otherside
深紅色 の若手女性スター、その彼女は俺のベッドにいる
ソウルメイト志願者が血を流した
そう、トリガーを押すと話の脈絡がわかるんだ
俺は向こう側に持って行かなきゃ
[Pre-Chorus]
Take it on the otherside
Take it on, take it on
向こう側に持って行ってれ
持って行ってれ、持って行ってれ
[Chorus]
How long, how long will I slide?
Separate my side
I don't, I don't believe it's bad
slit my throat, it's all I ever
俺はいつまで、どれくらい長く滑っていくんだ ?
そうだ、俺から離れてくれ
そうじゃない、俺はそれが悪いとは思わない
俺は喉を切り開いた、それが今までのすべてだ
[Guitar Solo]
[Bridge]
Turn me on, take me for a hard ride
Burn me out, leave me on the otherside
I yell and tell it that it's not my friend
I tear it down, I tear it down, and then it's born again
俺をしびれさせて、めちゃくちゃにしてくれ
俺を焼き尽くして、向こう側に置いていってくれ
俺は叫び、お前は友達なんかじゃないって言うよ
俺は壊し、破壊し、そして生まれ返るよ
[Guitar Solo]
[Chorus]
How long, how long will I slide?
Separate my side
I don't, I don't believe it's bad
slit my throat, it's all I ever had
俺はいつまで、どれくらい長く滑っていくんだ ?
そうだ、俺から離れてくれ
そうじゃない、俺はそれが悪いとは思わない
俺は喉を切り開いた、それが今までのすべてだ
[Outro]
(How long?)
I don't, I don't believe it’s sad
slittin' my throat, is all I ever
(いつまで?)
そうじゃない、俺は悲しいなんて思わない
喉を切り裂くのが今までのすべてだ
注釈
(*1) thought up 思いつく
(*2) slit 切り目を入れる、切り開く
(*3) spil こぼす、溢れ出る、流す
(*4) pull the thread (話の)脈絡が分かる
(*5) starlet 小さな星,スターを約束されている映画女優,若手女性スター
トラック・インプレッション
タイトルは、[otherside]ですが、歌詞では[the otherside]となっています。
つまり向こう側(otherside)は「あの世、天国、死後の世界」として歌われています。
海外の歌詞説明サイトにも書いてありますが、この曲はヴォーカルのアンソニー・キーディスとギターのジョン・フルシアンテの薬物中毒について書かれており、この曲を書く前の二人の薬物中毒は過去最高に達していました。
亡くなったギタリストでもあるヒレル・スロヴァクについても触れているようです。
訳していてそんな気がしましたが、深く沈んでいく様子、薬物をやっていても悪いことをしていると思ってない感情、一度手を出すとやめられない中毒性、そして死を現実的に普通に考えてしまい自殺についての表現が多々歌われています。
表現的に難解なところもあり、"A cemetery where I marry the sea" というフレーズは「俺が海と結婚する墓場」と直訳できますが、これは水死を指すのでしょう。
"A scarlet starlet and she's in my bed. A candidate for the soul mate bled"は、
「深紅色 の若手女性スター、その彼女は俺のベッドにいる。ソウルメイト志願者が血を流した。」と訳しましたが、ロックスターに寄って来る人たちのことを歌っているのかなと、かんじました。
歌詞には薬物はやってはいけない、自殺なんてするな、なんてストレートなメッセージがあるわけではありません。
だって曲を作った本人が薬物中毒だったし、彼らの仲間には薬物により命を絶った人たちもたくさんいるのでしょう。
そんな仲間を責めるようなことを歌にすることはないだろうし、優しくもなく淡々とした思いを「(全てを投げ出して)向こう側へもっていかなきゃ」と考えてしまう人たちに向けて寄り添う歌なのでしょう。メロディが妙に切ないところが救いではないですが胸に響きます。
ではまた。