歌詞和訳 〜キラクにキママにマジメにホンヤク〜

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Lady Gaga – THE MAYHEM BALL TOUR 2026 解説(東京ドーム公演)

日本でLady Gaga – THE MAYHEM BALL TOUR 2026 が伝えたものは何だったのか?

 

 

はじめに・・・

2026年1月29日、東京ドームで開催された Lady Gaga “THE MAYHEM BALL TOUR” を観てきました。  
率直に言って、圧倒的でした。

ガガが長年磨き上げてきた歌唱力、唯一無二の個性、身体表現としてのパフォーマンス、そして奇抜で芸術性の高いファッション。  
そこに女優として培った演技力・演出力が加わり、キャリアの集大成とも言えるステージでした。

さらに、ショーの核となる傑作アルバム 「MAYHEM」を中心に、名曲の数々を織り交ぜたセットリスト。  
そして個性を尊重し、ファンを大切にするガガの人間性があるからこそ、これほど熱狂的で一体感のあるショーが成立したのだと思います。

 

ショーの難易度の高さと「物語」の存在

このショーは、もちろん、プロフェッショナルなパフォーマンス、豪華な演出を観るだけで充分楽しめます。
ただ、このショーは「オープニング + 4つの章(Act)+ フィナーレ (そしてアンコール)」で構成されており、一見するだけだとストーリーやセットリストの意図が分かりにくい部分があります。

特に私はドーム後方の席だったため、演出やダンサーの細かな動きが見えづらく、終演後に「もっと理解したい」というモヤモヤが残りました。


2025年のテイラー・スウィフト “ERAS TOUR” が、歴代アルバムの世界観を再現するというすんなり入り込みやすい構成・演出だったのに対し、ガガの MAYHEM TOUR は“内面の物語”を描くショー であり、理解のハードルが高いのです。


そこで今回は、AIの助けも借りながら、自分の備忘録としてショーの世界観を整理してみました。

 

「MAYHEM」とは何か?

まず“MAYHEM” とは[英辞郎 on the WEB]によると「大混乱・騒乱・破壊行為」 を意味します。
そして「MAYHEM BALL」だと“混沌の舞踏会”。

ガガはこのショーで、「自分の混乱した内面=MAYHEM」を芸術として昇華し、観客を狂騒的で情熱的なダンスパーティーへ誘うというテーマを掲げています。

ショー全体で、ガガが自分の内面の混沌と向き合い、受け入れ、統合していく物語として構成されています。

 

Opening:The Art of Personal Chaos (個人的混沌の芸術)

ショーは、白い女性(ガガ)と赤い女性(メイヘム)の対話から始まります。  
この会話は全文公開されていませんが、内容は次のような“心理劇の導入”です。


概ね下記の内容です。

  • ガガ(白)は、自分の中の混乱・痛み・衝動を恐れている  
  • メイヘム(赤)は、それこそがガガを動かす力だと語る
  • ガガは制御したいと言うが、メイヘムは「受け入れよ」と促す
  • 最後に「Fall into the dream(夢へ堕ちてきなさい)」と誘う

ここで提示されるのは、「ガガ vs メイヘム(自分の影)」という構図が示され、以降の章に続き、「堕ちる → 迷う → 対峙 → 統合」という心理の旅として展開されます。

 

 

Act I:Of Velvet and Vice (ベルベットと悪徳)

ショーの幕が上がった瞬間、観客はゴシックで豪奢な“異世界”へと一気に引き込まれます。
この章のテーマは、「誘惑・虚飾・快楽としての混沌への入口」 であり、観客が“夢へ堕ちていく”最初のステップです。

ガガの新旧のアッパーな代表曲で観客をグッと引き込むパートでもあります。

 

概ね下記の内容です。

  • ゴシックで豪奢な世界に引き込まれる  
  • 「Bloody Mary」「Judas」など“罪・誘惑・二面性”が続く
  • メイヘムの世界に足を踏み入れつつ、まだ自分を保とうとする段階

 

セットリストは下記です。

  • Bloody Mary
  • Abracadabra
  • Judas
  • Aura
  • Scheiße
  • Garden of Eden
  • Poker Face


Lady Gaga - Bloody Mary/Abracadabra/Judas/Aura - Live from The MAYHEM Ball at Madison Square Garden

 

幕開けの「Bloody Mary」は、荘厳な宗教的モチーフと妖艶さが混ざり合い、“聖と俗の境界が曖昧になる瞬間”を象徴します。

続く「Judas」では、裏切り・二面性・禁断の愛といったテーマが一気に加速し、ガガは“メイヘムの世界”へ足を踏み入れながらも、まだ自分を保とうとする緊張感をまとっています。

Aura」や「Scheiße」では、ガガの強さと脆さが同時に露わになり、観客は“混沌の女王”が目覚めていく過程を目撃することになります。

 


Lady Gaga - Poker Face - Live from The MAYHEM Ball at Madison Square Garden

 

そして「Poker Face」で、名声と虚飾の仮面が静かに提示され、このショーが単なるライブではなく“心理の旅”であることが明確になります。

章全体に散りばめらていた 「Abracadabra」 は、単なる魔法の呪文ではなく、人格の揺らぎ・変身の儀式・現実と幻想の境界を溶かすスイッチ として機能します。

この”Abracadabra”のフレーズが響くたびに、観客は少しずつ“現実”から切り離され、ガガと共に混沌の深層へと誘われていくのです。

 

 

Act II:And She Fell Into a Gothic Dream (彼女はゴシックの夢に落ちていく)

この章のテーマは「堕落・夢と現実の境界の崩壊」です。

ガガが現実から切り離され、夢と悪夢のあいだに落ちていく章です。
名声や欲望がゆがんだ形で姿を現し、すべてが美しく、しかしどこか不穏に歪んで見える世界。

  • 「Paparazzi」「LoveGame」など名声・欲望の歪んだ世界
  • ガガは夢の中で自分の恐怖や欲望を見せつけられる
  • メイヘムの支配が強まり、現実感が薄れていく

 

セットリストは下記です。

  • Perfect Celebrity
  • Disease
  • Paparazzi
  • LoveGame
  • Alejandro
  • The Beast

 

私が特に象徴を受けたのが「Perfect Celebrity」「Disease」での“砂の箱”のシーンです。


Lady Gaga - Perfect Celebrity - Live from The MAYHEM Ball at Madison Square Garden

 


Lady Gaga - Disease - Live from The MAYHEM Ball at Madison Square Garden

 

  • 砂=名声の脆さ
  • 箱=芸能界という檻
  • ガガが交わるガイコツ=死んだ名声の象徴
  • ガガが交わる生身のダンサー=生きた欲望・依存の象徴 

ガガがガイコツやダンサーと交わる姿は「名声に消費される身体」「他者の欲望に形作られる存在」というテーマを身体で語る演出です。


“名声(Celebrity)“という幻想の中で、自分が他者に消費され、同時に自分もそれを求めてしまう”というテーマを身体的に表現したシーンです。

砂=「名声の不安定さ・崩れやすさ」「砂は形を保てない」「積み上げても、すぐ崩れる」であり、 名声・人気・イメージは、砂の城のように脆いことを示しています。


箱=「芸能界という檻」「逃げられない空間」「商品としてのガガ”が閉じ込められる場所」を示しています。

Celebrity(有名人)としての自分が閉じ込められ、観客に消費される構造を表現しているのでしょう。


ガガがガイコツや他のダンサーと絡むように交わるのは、「観客の期待」「メディアの欲望」「有名人の身体は、他者の欲望によって形作られる」ことであり、それらがガガの身体に触れ、形を変え、時に侵食するという意味が込められているように思います。  

Perfect Celebrity」は、「完璧なセレブ像(Perfect Celebrity)なんて存在しない」ということがテーマになっており、「私は消費されるだけの存在ではない。自分で選び、自分で演じる」という主体性を示しています。

「完璧に見える」「でも実際は崩れやすい」「他者の欲望で形作られる」「それでも自分で選び直す 」。
この矛盾こそがガガがこのショーで表す「MAYHEM(混沌)」の一つでしょう。

 

 

Act III:The Beautiful Nightmare That Knows Her Name
(彼女の名を知る美しい悪夢)

この章のテーマは「自己の影との対峙」です。

Act III は、MAYHEM Ball 全体の中でも 最も暗く、最も痛みが強い章です。  
ここでは、ガガが“名声の悪夢”の中で 、自分自身の影(Shadow)と向き合うことを強制されるように物語が進みます。

前半の「Killah」 → 「Zombieboy」 → 「The Dead Dance」 の流れは、まさにその“悪夢の正体”を段階的に暴いていく構成になっています。

この章は概ね下記のような内容です。

  • “名声の悪夢”がついに姿を現し、ガガが逃げ場を失っていく章
  • 破壊衝動・喪失・影の気配が濃くなり、ステージ全体が不穏な空気に包まれる
  • ガガ自身が“敵”であり“被害者”でもあるという二重構造が浮き彫りになる
  • ダンサーや影の演出が、ガガの内面の混沌を具現化し、現実と悪夢の境界が崩れていく

セットリストは下記です。

  • Killah
  • Zombieboy
  • The Dead Dance
  • LoveDrug
  • Applause
  • Just Dance

 

Killah」では、自分を破壊へと導く衝動=“内なる敵”が姿を現し、ガガは外側ではなく内側の暴力性と対峙します。
続く「Zombieboy」は、喪失や過去の痛みが影となってまとわりつく場面で、名声の裏側にある「失われたもの」がガガを侵食していく。
そして「The Dead Dance」では、ガガは影に操られるように踊らされ、もはや自分の意思と悪夢の境界が崩壊します。
ここで観客は、悪夢の正体が“外の世界ではなく、自分自身”であることを悟る構造になっています。

 


Lady Gaga - Killah - Live from The MAYHEM Ball at Madison Square Garden


後半の 「Applause」 → 「Just Dance」 は、名声の始まりと依存のループを象徴し、
ガガが名声の輪廻から逃れられない“悪夢のピーク”を形成します。


Act III 全体が、ガガが完全に迷い込み、影に飲み込まれる章として機能しています。

 


Lady Gaga - LoveDrug/Applause/Just Dance - Live from The MAYHEM Ball at Madison Square Garden

 

 

Act IV:Every Chessboard Has Two Queens (チェス盤には二人の女王がいる)

この章のテーマは「二面性の統合・自己決定」です。

  • ガガ(白)とメイヘム(赤)が対等な存在として描かれる
  • 光と闇、秩序と混沌、どちらも自分の一部であると受け入れる章

セットリストは下記です。印の曲は日によって変わります。

  • Shadow of a Man
  • Kill for Love
  • Summerboy
  • Born This Way
  • Million Reasons
  • Shallow
  • Die With a Smile
  • Come to Mama ※
  • Marry the Night ※
  • Vanish Into You

 

まず「Shadow of a Man」でガガが自分の影(弱さ・恐怖・喪失)と向き合うことになります。

誰かの背後に隠れる「影」のような存在から脱却し、自分自身の力で光を掴み取ろうとする「自己解放」と「覚醒」を歌います。

和訳もしてますので良かったら↓を見てください。

【歌詞和訳】Shadow of a Man - Lady GAGA (The MAYHEM Ball 2026 ライブ感想有) - 歌詞和訳 〜キラクにキママにマジメにホンヤク〜

 


Shadow Of A Man/Kill For Love - Lady Gaga (Live from The Mayhem Ball, Las Vegas, NV - July 16, 2025)

 

そして印象的だったのが、赤いメイヘムとガガが手を取り合って邂逅するシーンです。

このショーの大きな見せ場の一つです。

 


Lady Gaga - Born This Way / Million Reasons (The Mayhem Ball Berlin Uber Arena 04.11.2025)

 

Born This Way」を歌い終わり、会場が静寂に包まれた瞬間、ガガと赤いメイヘムがゆっくりと向かい合う。
ガガが初めて“自分の影”を真正面から受け入れようとする瞬間です。
メイヘムが手を伸ばし、ガガはもう逃げない。
その静かな邂逅シーンで歌われる「Million Reasons」は、痛みも弱さも抱えたまま前へ進む決意の歌として響きます。その流れは次の曲の「Shallow」にも継がれます。

この曲・演出があるからこそ、アンコールで“素顔のガガ”が現れる意味が成立します。

 

そしてAct IVの最後の曲は「Vanish Into You」です。

ガガが混沌を受け入れ、愛の中に溶けていく“統合”の瞬間です。

ガガはステージから降りてファンにサインしたり手を取ったりして周りました。


Lady Gaga - Vanish Into You - Live from The MAYHEM Ball at Madison Square Garden

 

 

Finale:Eternal Aria of the Monster Heart (モンスターの心の永遠の詠唱)

フィナーレのテーマは「解放・再生・自己肯定」です。

Finale の曲は 「Bad Romance」。


Lady Gaga - Bad Romance - Live from The MAYHEM Ball at Madison Square Garden

 

ガガ自身が「私の最も暗い欲望を歌った曲」と語るこの曲は、MAYHEM(混沌)の核心そのもの。

  • 愛への執着  
  • 自己破壊的な衝動
  • コントロール不能な欲望

といったところでしょう。

 

これらを抱えたまま、「それでも私は前へ進む」という宣言が 「Bad Romance 」です。

統合を終えたガガが、混沌を力として解き放つ儀式として機能しています。

 

 

Encore:How Bad Do U Want Me (素顔のガガ)

アンコールでは、ガガが楽屋でメイクを落とす姿がスクリーンに映し出されます。  
これは世界中のメディアが「MAYHEM Ball の核心」と報じた象徴的な瞬間です。

この映像シーンからガガがステージに現れるシーンがこのショーのクライマックスです。それは見た人が潜在的にでも下記を感じているからでしょう。

  • 虚構から現実へ戻る儀式
  • 完璧なセレブ像を脱ぎ捨てる行為
  • 「私はあなたたちの幻想ではなく、ひとりの人間だ」という宣言

ここで歌われる「How Bad Do U Want Me」は弱さ・承認欲求・依存をさらけ出す曲。

どれだけ私のこと欲しがってるの? 」という歌うこの曲は 「求められたい」という弱さや欲望を隠しません。

歌詞和訳は私の↓を見てください。

【歌詞和訳】How Bad Do U Want Me - LADY GAGA - 歌詞和訳 〜キラクにキママにマジメにホンヤク〜

 

素顔でこの曲を歌うことで、ガガは“混沌を受け入れた後の本当の自分”として観客の前に立ちます。

 


Lady Gaga - How Bad Do U Want Me/Finale - Live from The MAYHEM Ball at Madison Square Garden

 

まとめ

MAYHEM Ball は、ひとりのアーティストが自分の内側に潜む混沌へと降りていき、その闇の中でもがき、闇も自分自身も抱きしめて再び光の中へ戻ってくるまでの、壮大な“魂の旅”でした。

 

Act I〜III でガガは誘惑に堕ち、名声の悪夢に迷い込み、ついには自分の影に飲み込まれていく。
しかし Act IV で、その影こそが自分の一部であると気づき、痛みも弱さも抱えたまま統合へと向かう姿が胸を打ちます。
Finale の「Bad Romance」で混沌を力として解き放ち、アンコールではメイクを落とした“素顔のガガ”が静かに立つ。
その瞬間、ショーはただのライブではなく、ガガという人間の物語を観客と共有する儀式へと変わります。

 

上記を改めてまとめると下記です。

  • Act I〜III:堕落 → 迷い → 悪夢  
  • Act IV:影との統合
  • Finale:解放 
  • Encore:素顔のガガ


MAYHEM BALL はまるで一本の映画を観終えたような深い余韻と、心の奥がそっと震えるような感動が残るステージでした。


この構造を理解すると、ショー全体が一本の映画のように見えてきます。

一夜の体験だけで思い出として胸にしまうだけでは勿体ない。

できればもう一度、動画でじっくり体験したい、そんな今まで、そしてこれからのエンターテインメント界にとって非常に重要なショーでした。

 

最後に..... 

日本公演の3日後の2月2日(日本時間)にガガはアルバム「MAYHEM」でアカデミー賞 ポップ・ヴォーカル・アルバム賞を受賞しました。

惜しくも主要3部門のベストレコード/アルバム/ソングは逃しましたが、「Abracadabra」で圧巻のパフォーマンスを見せてくれました。

 


LADY GAGA - ABRACADABRA (LIVE AT THE 2026 GRAMMYS) 

 

Lady GAGA (レディ・ガガ)の歌詞和訳

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最後まで見て頂きありがとうございました!

ではまた。


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