武道館で見せつけた“若さ”と“現役感”。そして色褪せない名曲の数々
今日は先日2026年1月26日に日本武道館で観たBryan Adams (ブライアン・アダムス)の「ROLL WITH THE PUNCHES TOUR 2026」のライブレポートです。
一緒に私が一番好きな曲[Cuts Like a Knife (カッツ・ライク・ア・ナイフ)]の歌詞和訳をします。
歌詞と和訳だけ見たい方は下の目次の「歌詞/和訳」クリックしてください。

ライブ情報
- アーティスト名:Bryan Adams (ブライアン・アダムス)
- ツアー名:ROLL WITH THE PUNCHES TOUR 2026
- 会場:日本武道館 (Nippon Budōkan)
- 公演日:2026年1月26日(月) <19:00 開演>
はじめに・・・
私が初めて行ったライブがブライアン・アダムスで、小学生が一人で行くわけでもなく家族に付いて来てもらいました。
1985年の[Reckless]リリース後の武道館。ブライアンがイケイケで上昇気流に乗ってた頃です。
たしか小学生高学年の時でもう40年以上経ったのか。
楽しみにいったのに初めてのライブはドキドキ緊張してたけど良い思い出です。
私が洋楽から離れてた1995年から2000年代のアルバムはあまり聴かなかったけど、ブライアンはずっと好きなアーティストです。
今回、それらのアルバムを聴き直してみたらブライアンらしさは全く損なわれていないどころかかなり良い。
時代を遡ってみると色んなことを試しみながら芯は全くブレないブライアンの歴史が分かります。
特に最近の2010~2020年代のアルバムは、「俺にはこれしかない」とブライアンらしさを深化させてくような吹っ切れたロック・アルバムで本当に良い。
2022年の[So Happy It Hurts]は全盛期に劣らない名作だと思ってて、ライブで盛り上がるキラー曲[Kick Ass]があるし、2025年の [Roll With The Punches]も粒揃いで味わいのある曲が多かったです。
本当にメロディメイカーとして素晴らしい人だなと痛感します。
ブライアンはまさに自分にとってはリアルタイムで経験できたザ・ビートルズといってもよいかも。
そんな色褪せないロックンロールや染み込むバラードを作ってきた人です。
そしてここ1カ月程ブライアンを聴き直してこのライブを気持ちが一番盛り上がれた状態で迎えられました。
ライブ・レポート
日本列島は今年イチの寒波が到来してた当日。
東京も少し肌寒い冬の夜だったけど、風もなく澄んだ空気が心地よい“ライブ日和”の一日。ブライアンのライブに相応しい夜です。
私の席はステージを右斜めから見下ろすS席(2階席)で、まぁこんなもんかなという感じです。
客層は男女比6:4ほどで、壮年の観客が多いけど若いファンの姿もちらほら。
月曜 平日にも関わらず開演時間になると、見渡す限り満席でしたがネットの情報では8,000人集まったとのことです。
世代を超えて愛されるアーティストであることを改めて感じさせられます。
客入れのBGM、はレストレスの「Iced Cold」,リトル・リチャードの「Tutti Frutti」,チャック・ベリーの「Johnny B Good」をはじめ、50〜60年代のロックンロールが流れ、アメリカンな雰囲気(ブライアンはカナダ人だけど)が会場の空気をじわじわ温めていきます。


7:10頃に軽快なアレンジの[Can't Stop This Thing We Started]でアリーナ後方のBステージからアコースティックセットがスタート。
ステージではスクリーンにそのモノクロの演奏風景が流れます。
このスタイルは今回のツアーの各国のどの会場でも一貫して取っているスタイルのようです。
Bステージってなんだろうと思ってたけど謎が解けました。
アリーナ後方のファンへのファンサービスでしょう。
そしてそこから客席を通ってメインステージへ向かうシーンをスクリーンに映すという、まるで格闘家の入場シーンのような、観客の気持ちを一気に引き上げる粋な演出に「ブライアン、カッケー」と声を出してしまいました。
ただ2階席の私には逆にブライアンがどこにいるのか分かりづらく、どこで歌っているかわかるまで時間がかかりました。

本編のオープニングは私の大好きなアルバム[So Happy It Hurts]から超アッパーなロックンロール[Kick Ass]です。続いて普通ならば一番盛り上がる[Run to You], [Somebody]に続くという展開。[Run to You]のイントロが流れた途端、昔にタイムワープしたようにグッときてゾワッとしました。
もうこの名曲やっちゃうの?なんて心配は一切無用です。
そこからも誰もが聴きたい名曲が次々と繰り出され、ヒット曲・代表曲のオンパレード。「あの曲やってない」と言うのが野暮に思えるほどの充実ぶりです。
派手なライティングこそないものの、巨大なバックスクリーンに映し出されるモノクロ中心の映像が、ブライアンのロックの色褪せない魅力をさらに際立たせていました。
演出らしい演出といえば[Roll With The Punches]の時に登場した巨大グローブくらいで、全体としては音とパフォーマンスで勝負する潔いステージングでした。
ブライアンがベースを弾く4ピース構成のバンドも息がぴったりです。
特にずっとブライアンのパートナーのギターのキース・スコットのギターはブライアンの曲の魅力を最高に引き上げて、弾きまくる時は思いっきり弾きまくります。

そしてブライアンはとにかく顔もスタイルもカッコいいしとにかく若い。
イケオジを超越した若さです。
もしかして田舎たかった(失礼!)20代の頃よりもイケメンかも。
普通、レジェンド・アーティストは年相応の御姿に年の流れを感じて、しょうがないよね~って空気が漂い、時には「おじいちゃん、頑張って~」なんて温かい?声援が飛ぶのですが、66才でこのスタイルをキープできるなんて人類が見本にすべき人です。
そしてなにより声も若いです。
昔はブルース・スプリングスティーンと比較されて歌のうまさよりも独特のしゃがれ声が特徴の人だったけど、衰えは一切なく味が断然増しました。
またブライアンのMCは驚くほど聞き取りやすく、日本の観客に慣れているのが伝わってきます。
[It's Only Love]の時には、「僕がティナ・ターナーのパートも歌うけど恐れ多いよ。ティナじゃないから大目に見てくれ。」とか、[This Time]では「昔のビデオを流すけど、髪型を笑うなよ」とか、「恥ずかしがらずに歌ってくれよ。みんなの歌声を聴くためにカナダから来たんだぜ。みんなも家からはるばる来てくれたんだろうけどね」とか、所々でジョークを交えた軽妙な語りに、会場から自然と笑いが起こります。
海外アーティストが日本のライブでここまでMCが“通じる”、"通じさせてしまう"のはなかなか珍しいです。
本編の最後は、待ってましたの[Summer of '69], [Cuts Like a Knife]。
どの曲もキラーチューンですが、キラー中のキラーでしょう。
そしてアンコールはBステージで[All for Love]をしっとり歌いライブは終演です。
2時間のステージは終始濃密さと親密感が高く、最後まで飽きさせないまま静かになる間なんてものはなく一気に駆け抜けてくれました。
40年以上も継続的に来日公演をしてくれて日本の音楽ファンに愛されるアーティストであるブライアン。
ボブ・ディランやエリック・クラプトンのように畏敬の念をもちながら格式高さやレジェンド感を感じながらありがたく鑑賞するのとはちょっと違うんです。(私個人の印象です)
しかも昔の名曲が強いのは当然として、近年の楽曲もライブの中心に据えられるほどの力を持っているということが本当に強い。
一点だけ不満じゃないけど疑問だったのが、開演前のバックスクリーンで観客のリクエストをQRコードで募ってたけどこれはどの曲だったんだろう。
↓の [setlist.fm]のセトリをみても謎でした。
ちなみに私はアルバム[Cuts Like A Knife]から[The Only One]に投票しました。
次は次作のツアーになるだろうか。
新しいアルバムが良ければ、また武道館で彼のロックを浴びたい。
そんな期待を胸に帰路につきました。
ザ・トラック・オブ・ザ・デイ
- トラック名: Cuts Like a Knife (カッツ・ライク・ア・ナイフ)
- アーティスト名: Bryan Adams (ブライアン・アダムス)
- 収録アルバム: Cuts Like a Knife (カッツ・ライク・ア・ナイフ) *Track 5
- 収録アルバムリリース日:1983年1月18日
- シングルリリース日:1983年5月27日
- プロデューサー: Bryan Adams, Bob Clearmountain
- ソングライター: Bryan Adams, Jim Vallance
この曲をリリースした時のブライアンは23歳です。
MVにはスーパースターになる直前の近所にいる飾らないどチョイ悪で危うさを感じさせる若造のブライアンがいます。
このアルバム全ての曲に「若さゆえの危うさと瑞々しさ」が満ちていて当時十代前半だった私は今でも忘れられない大切な曲達でありアルバムです。
この気持ちは今でもアルバムを聴くとフラッシュバックして、当時のブライアンがそのまま封じ込められた初期を代表する名作です。
かっこつけや悪ぶったりしない、フツーの兄貴のブライアンへの共感は今もそのまま続いています。
この曲は、ストレートな言葉にやり場のない感情が込められ、裏切りと別れの痛みを感じつつも、どこかで「この関係はもう限界だった」と悟っている複雑な心境を歌っています。
テーマは、「失恋の痛み」と「避けられない現実を受け入れた時の奇妙な納得感」の対比です。
この曲で繰り返し歌われるのは下記の歌詞。
"Cuts like a knife"というのは、単なる比喩ではなく、「切り裂かれる」「えぐられる」という強いショックを感じます。
そしてブライアン・アダムス自身も言及してますが、"But it feels so right" には「痛いけれど、それが真実だから納得がいく」というニュアンスを込めています。
単に「悲しくつらいけど、こうなる運命だったんだという腑に落ちた感覚」を「これで良かった」「正しい結末だった」という印象を聴く人に与えます。
最後に繰り返されながらエンディングへ向かうところは、痛みが吹っ切れて気分が晴れていくように感じられるところがまた好きです。
武道館では本編ラストに演奏されたこの曲。
「ナナー・ナー・ナナ・ナー・ナナナナ」のフレーズはライブでは会場が一体になるシンガロング・パートでした。
なお英詞は"genius.com"から引用し、Spotifyから補足しています。
歌詞/和訳
Title : Cuts Like a Knife
[Verse 1]
Drivin' home this evenin'
Coulda *1 sworn *2 we had it all worked out
You had this boy believin'
Way beyond the shadow of a doubt *3
車を走らせ家に向かってた
すべて解決したと信じ込んでた
君は俺をその気にさせたじゃないか
何の疑いもないくらいに
Well, I heard it on the street
I heard you might've found somebody new
Well, who is he, baby?
Who is he and tell me what he means to you?
噂で耳にしたんだ
君に新しい恋人ができたんじゃないかって
なあ、そいつは一体誰だ?
そいつが誰で、君にとってどんな奴か教えてくれよ
[Pre-Chorus]
I took it all for granted *4
But how was I to know
That you'd be letting go
当たり前のように続くと思っていた
だけど、どうやって気づけというんだ?
君が離れていくなんて
[Chorus]
Now it cuts like a knife
But it feels so right
It cuts like a knife
But it feels so right
あぁ、ナイフで切り裂かれたようだ
なのにこれで良かったと感じる
鋭く心をえぐられるけれど
これが正しいって感じるんだ
[Verse 2]
There's times I've been mistaken
There's times I thought I'd been misunderstood
So wait a minute, darlin'
Can't you see we did the best we could?
we could?
思い違いをしていたこともあった
誤解されていると思うこともあった
だけどちょっと待ってくれよ
俺たちは、精一杯やってきたじゃないか
そう思わないか?
[Pre-Chorus]
This wouldn't be the first time
That things have gone astray *5
Now you've thrown it all away
物事がうまくいかなくなるのは
初めてじゃないけれど
今、君はすべてを投げ捨てちまったんだ
[Chorus]
Now it cuts like a knife
But It feels so right
It cuts like a knife
But it feels so right
(Na-na, na, na-na, na, na-na, na-na)
あぁ、ナイフで切り裂かれたようだ
なのにこれで良かったと感じる
鋭く心をえぐられるけれど
これが正しいって感じるんだ
It cuts like a knife
But it feels so right, baby
(Na-na, na, na-na, na, na-na, na-na)
It cuts like a knife
ナイフで切り裂かれたようだ
なのにこれで良かったんだと感じるよ、ベイビー
ナイフで切り裂かれたようだ
[Guitar Solo]
[Pre-Chorus]
I took it all for granted
But how was I to know
That you'd be letting go
全部当たり前のようにに続くと思っていた
だけど、どうやって気づけというんだ?
君が離れていくなんて
[Chorus]
Now, it cuts like a knife
But it feels so right
Now it cuts like a knife
But it feels so right, yeah!
あぁ、ナイフのように突き刺さる
でも、これでいいんだ
鋭く、鋭く切り裂かれるけれど
そう、これで良いんだ
(Na-na, na, na-na, na, na-na, na-na)
It cuts like a knife
(Na-na, na, na-na, na, na-na, na-na)
But it feels so right, baby
ナイフのように痛むけれど
なのにこれで良かったんだと感じるんだ
(Na-na, na, na-na, na, na-na, na-na)
It cuts like a knife
Now give it to me, now
(Na-na, na, na-na, na, na-na, na-na)
Yeah, come on boys
(Na-na, na, na-na, na, na-na, na-na)
Feels so right
(Na-na, na, na-na, na, na-na, na-na)
Now it cuts like knife, now
ナイフで切り裂かれたようだ
もっとやってくれよ、ベイビー
最高な気分だ
ナイフのように痛むけど
[Outro]
(Na-na, na, na-na, na, na-na, na-na)
But it feels so right
Feels so right, baby
(Na-na, na, na-na, na, na-na, na-na)
It feels so right
これで良いんだ
最高な気分だ、ベイビー
とても心地いいよ
収録アルバム
紹介した曲は↓のアルバムに収録されています。
US Billboard 200では最高8位、全世界で1,400万枚以上のセールスを誇るブライアンを出世作であり代表作です。
このアルバムに10代の頃に出会えて本当に良かった... と心から思える心の名盤です。
ではまた。
最後まで見ていただきありがとうございました!
ランキングに参加しております。
よろしければクリックして貴重な1票をお願いします!
*1:Coulda "could have"(クッド・ハブ)の口語的な短縮形で「~できたのに(しなかった)」や「~だったかもしれない」の意味 <by 英辞郎>
*2:sworn swear(誓う、宣誓する) の過去分詞 <by weblio>
*3:beyond the shadow of a doubt 何の疑い(の余地)もなく、一点の疑いもなく <by 英辞郎>
*4:take it for granted that 当然と考える[思い込む]、てっきり〔that以下〕だと思う、〔that以下を〕うのみにする <by 英辞郎>
*5:astray 道に迷って、正道からそれて、堕落して <by weblio>
