【2025年1月31日】the pillows 解散ライブ - LOSTMAN GO TO CITY 2024-25
2025年1月31日にZepp Yokohamaで観たthe pillows のライブレポートです。
告知なしでバンドの35年の活動に終止符を打つ解散ライブでした。
レポート内にセットリストを含んでいます。
ライブ情報
- バンド名:the pillows
- ツアー名:LOSTMAN GO TO CITY 2024-25
- 会場:横浜 KT Zepp Yokohama
- 公演日:2025年1月31日
はじめに・・・
このライブの次の日、朝起きてスマホをみたら1件のメール通知が目に入りました。
the pillowsオフィシャルファンクラブ「what's pillows」から。
ライブの案内かな。どれどれと見ると.....
the pillow 解散・・・・・
オフィシャルサイトには下のインフォーメーションが。
解散理由やメンバーの今後についての記載はなかったけど、35年続くベテラン・バンドが the pillows 以外のやりたいことをする時期という思いになるのは当然のことだろうと思います。まことしやかにメンバー間の人間関係も良くない噂もあったりしたし.....
だけど LOST MAN 2023-2024ツアーのZepp Diver City のライブ時に「特別なことをやるならば結成40thだろ!」って言ってたのに.....
これからライブに行けないのでthe pillows を聴く機会がどうしても減ってしまい、自分の中の the pillows が消えていってしまうのが怖い、それが自分には耐えがたいモヤモヤした気分です。
それでもこの気持ちは"今までありがとう"という気持ちに必ず変わるはず。
自分と同じ時代を生きて来たこの素晴らしいロックンロール・バンドに感謝するために変わらなくてはなりません.....
the pillows との出会いは岩井俊二監督の映画[Love Letter]の主題歌「ガールフレンド」のスマッシュヒットでした。その時はなんとなく良い曲書くバンドだなという程度でした。映画は名作として良く紹介されるのにこの曲が語られる機会があまりないのが寂しいですが。
そして何がきっかけで買ったか忘れてしまったベスト盤[Fool on the planet]。
「ガールフレンド」の記憶がありCDショップで何気なく手に取ったベストアルバムから長い付き合いが始まりました。
ちなみに「ガールフレンド」がこのベストに入ってないことを知ってて買ったのも不思議な話です。
ベスト盤を聴いた時、the pillows は正に自分にとってのビートルズになりました。
いつ聴いても嫌なことを忘れさせてくれいつも最高の気分にしてくれる曲ばかり。
オールディーズ風なロックンロールもポップもパンクもオルタナも全てを飲み込んだthe pillows のみが持つロックンロールマジックに取り憑かれてからもう20年以上。
the pillows マジックに酔いしれた夜の翌朝にこんなニュースを知るなんて、悲しい・寂しいという気分まで行けず、大フェイバリット・バンドが活動を終えたという事実を正直まだ受け入れられません。
気を取り直せないですが、ライブレポに行きます。
the pillows は人気バンドにも関わらずライブハウス中心に活動し、今年9月の35th Anniversary ライブのような重要なライブはいつも速攻売り切れてしまい参戦できず。
比較的チケットが取りやすいLOSTMAN GO TO THE CITYライブは必ず行くようにしてました。
LOSTMAN GO TO THE CITY ツアーは2013年から不定期で開催されており、普段ライブでやる事のあまりない曲を集めたセットリストとなっていて昨年2023年1月のZepp DiverCityにも参戦しました。
それでも昨年のLOST MANツアーではファンにとっての人気曲が多く、大好きな曲ばっかりだったのですが今年はどうか。
ネットを見るとまことしやかに活動休止の噂があったみたいですが恐らくメンバーと主要なスタッフ以外は誰も知らなかっただろう解散ライブ。
少なくとも私を含めてライブに来たほとんどが解散ライブであることは全く知らず意識もせず盛り上がったと思います。ライブの雰囲気がそうでした。
解散ライブでのヴォーカル・ギターの山中さわおさんのコメントを交えつつ、今までのthe pillowsへの想いを重ねつつ、そして解散ライブであったことを心にとめつつ振り返ってみます。
ライヴ・インプレッション
会場の横浜 KT Zepp Yokohama は、1F スタンディングエリアと2F 座席を合わせて2,150程度のキャパです。
入場順番が後ろなので、スタンディングエリアの最後方の真ん中に陣取ります。ですが大き目のライブハウスは客席の後方にPAや撮影カメラがあり視界を遮り、音がこもる感じがして感じがしてどうも好きになれません。
ホールやアリーナなら全体を見れる良い位置なんですが.....
そして19時7分頃にライブ開始。
1曲目:デブリ ※ From Album [STROLL AND ROLL]
2曲目:ROCK'N'ROLL SINNERS ※ From Album [MY FOOT]
掴みはOKとばかりに立て続けにスピーディーなロックンロールをが続いた後、さわおさんの挨拶。
こんばんは、the pillows です。
まだ俺たちにあきてないんだね?
(観客笑)今夜はFUNNY BUNNYもこの世の果てまでもやらないんだ。
世界中で君たちくらいしか知らない曲ばっかりやる。
楽しい夜にしよう!
これが全く飽きることないんですよね。
今回セトリ予習が少しおろそかだったのでさわおさんのコメントに楽しみな反面、心配にもなりました.....
3曲目:Wake up! dodo ※ From Album [Wakeup!Wakeup!Wakeup!]
4曲目:Skinny Blues ※ From Album [Wakeup!Wakeup!Wakeup!]
5曲目:Binary Star ※ From Album [REBROADCAST]
序盤はスピード感のある曲で攻めてきます。
ファンと言いながら恥ずかしながら聞き覚えがある曲程度の印象でしたが pillowならではのスピード感のあるロックンロールにだんだん体が熱くなるグッド・ロックンロールが続いていきます。
LOSTMAN GO TO CITYのコンセプトが頭にあるので、前のめりにならず気軽な気分で楽しいノリに身を任せます。解散なんて思いもよらなかったので...
[Skinny Blues]の真鍋さんのギターソロもカッコ良いし、[Binary Star]のthe pillows流オルタナ感が心地よい。
そして序盤からアルバム内では目立たないかもしれない曲の良さをライブで実感してより好きになれるのがLOSTMANライブの魅力であることを実感します。
途中途中でさわおさんのギターのチューニング?の時に無言になると盛り上がっていた観客も一緒に静かになるのですが、さわおさんはこんな間さえも楽しんでいるかのような余裕は毎回結構面白いです。
ここで再びさわおさんからコメント。
ここからラブソングを4曲歌う。
ラブソングといってもいろいろあるよね、
少年のような恋心
大人になって知った複雑な恋心
あと、エロいやつ
(観客笑)ここから少年がだんだんエロくなってくるから。
6曲目:Subtropical Fantasy ※ From Album [STROLL AND ROLL]
若い頃の恋心を歌ったような大好きな曲。
「今夜もキミを思い出している まだ名前は知らない」と歌われるフレーズを聴くと、好きだけどその子のことをちゃんと知ることが出来てない、知りたいという淡い恋心のようなものを感じます。
そして「優雅に立つフラミンゴ いつか出会うファンタジー」という言葉にはその子と離れてしまった寂しさときっといつか素晴らしい出会いがまっているような前向きさを感じます。
7曲目:Mighty lovers ※ From Album [MY FOOT]
8曲目:シリアス・プラン ※ From Album [Wakeup!Wakeup!Wakeup!]
9曲目:Degeneration ※ From Album [MY FOOT]
[FUNNY BUNNY]も「この世の果てまで」も[LITTLE BUSTERS]も最高だけど、他にもこんなカッコ良い曲がたくさんあることを実感できるのがLOST MAN ツアーの醍醐味です。
このあたりは正にそんな時。
ポップロックな[Mighty lovers]、ブルースっぽいルーズなノリのを強調した[シリアス・プラン]はサビのパートがビシッとハードに決まってカッコ良かったし、音源で聴くよりずっと良い。
ハードで骨太で色気漂うロックンロール[Degeneration]は元々好きな曲だけどこんなカッコ凄い曲だったんだと今更ながら感動しました。
どう、ここまで面白い?
ライブで初めて聴いた曲も結構あるよね。観客「・・・・・・」※反応まばら
なんだよ、おい、仲良くしてくれよ。
(観客爆笑)
あまりに久々な曲が多くて、なんか自分で自分の曲をコピーしているようなんだよね。
もっとバンドスコアだしておけば良かったと思ったけど、それ見てコピーしたら本当のコピーバンドになっちゃうよな。当時何をやっていたか忘れたけど俺は音楽はわかるので今の気分でやったんだ。
というようなことをさわおさんは言ってました。
そうです。ここが やっぱりTHE LOST MAN ツアーの醍醐味。
アレンジが大きく違っている訳ではないけどCDやサブスクを聴くよりずっと新鮮で今を生きる歌って感じがする、今のthe pillows が聴けるんですよね。
じゃぁ、手を叩いて踊ろうじゃないか。
といって次へ行きます。
10曲目:I RIOT ※ From Album [STROLL AND ROLL]
ハンズクラップもしやすくてライブ映えする最高のロックンロール。
ここまでの流れは色々なタイプのthe pillowsを今のthe pillows解釈でアップデートされて最高の序盤の盛り上がりを作る選曲と演奏でした。
11曲目:Before going to bed ※ From Album [REBROADCAST]
ライブ中の中で自分には一番ピンとこなかった曲でした。
ライブ後にサブスクで聴き直したら真鍋さんのギターリフとルーズなノリが古き良きアメリカンな雰囲気を醸し出していてなかなか良かった。
俺たち、久しぶりに新曲を作ったんだ。
聴いてくれ!
と、12曲目:Blank * 新曲
the pillowsらしいけど少しボン・ジョヴィを思い出すようなエモなメロディを持つ曲でした。この曲を含むEPがthe pillows 最後の音源としてネット販売されてます。買わなくちゃ。この曲はアンコール待ちのBGMにも使われてました。
13曲目:カッコーの巣の下で ※ From Album [STROLL AND ROLL]
14曲目:Split emotion ※ From Album [Across the metropolis]
15曲目:Ninny ※ From Album [Another morning,Another pillows]
[Ninny]は隠れたというより the pillows ファンの中では大人気バラードの一つでしょう、と勝手に思ってます。the pillows流としかいえない甘酸っぱいラヴ・ソングです。
ここでバンドメンバー紹介。
サポートのベースの宮川トモユキさんは、バンドへの感謝の言葉をさわおさんはギャグで返します。
The pillowといえば天才的ソングライター、ロックンローラーである山中さわおさんなのですが、the pillowsヴァイヴの源であるドラムスの佐藤さんは毎回ひょうきん(死語)なコメントで、今回はペット美容院からの間違い電話ネタで笑わせてくれます。なんでもいきなり「田中様、ジャスミンちゃんのトリミングが終わったのでお迎えに来てください」と言われ、間違いだということがわかるまで何度も食い下がられたとか。
ギターの真鍋さんは朴訥だけどツアー最終日の感謝のコメントです。
真鍋さんのギター・サウンドはthe pillows の強烈な個性です。
気分をパッと明るくさせてくれるthe pillowsの曲には真鍋さんのギターでなくてはなりません。
メンバー紹介の後はライヴも終盤戦。
さわおさんの「神々の行進曲を知ってるか?」というコメントに続いて、
16曲目:MARCH OF THE GOD ※ From Album [MY FOOT]
インスト曲ですが後半は「Yes, More Lights!」と皆でシンガロングできるところがあるのが嬉しい。
バンド紹介後は後半戦、正にライブの山場です。
さらにアッパーな熱いノリのロックンロールが続きます。
17曲目:サード アイ ※ From Album [MY FOOT]
18曲目:Sleepy Head ※ From Album [Another morning,Another pillows]
19曲目:Locomotion, more! more! ※ From Album [STROLL AND ROLL]
「サード アイ」のキャッチーなメロディと高揚感、[Sleepy Head]のバキバキのベースラインから始まるパンキッシュなヴァイブ、[Locomotion, more! more!]でのBusters全員で大騒ぎしてきわめつけは「Comr on 5,4,3,2,1!!!」と叫ぶ一体感、もういつ聴いても痺れまくりです。
この辺りはBustersにはお馴染みの人気曲と言っても良く、レア曲集ライブといえとも勿体ぶらず出し惜しみしないのが良い。ファンが大好きな曲が続きました。
ゴキゲンなロックンロール(死語だけどこれしか言いようがない)にthe pillowsに着いてきて本当によかった!と気分が最高潮に盛り上がります。
「Thank You Very Much ありがとう!!」の言葉で本編は終了。
アンコール #1:
20曲目:ジョニー・ストロボ ※ From Album [OOPARTS]
21曲目:Gazelle city ※ From Album [MY FOOT]
アンコールは落ち着いた曲が続きますが、[Gazelle city]はやっぱりいいなぁ。
ミドルテンポのロックチューンなんだけど爽やかで心に沁みます。
ありがとう!
楽しかったかな?しかし改めてタイプの曲調を作って来たなと感じながらツアーを回っていた。
とにかくありとあらゆるもの、あの手この手、いろんなものにヒントをもらって、音楽じゃない物にもヒントをもらって、そしてなんとか自分自身が好きになれる曲を作り続けてきた。俺は一度も飽きなかったんだよ!
(観客拍手)
それはもちろん君たちが楽しみに待っていてくれて、宝物のように大切に聴いてくれてることを知ってたからなんだ。
ありがとう。
(観客拍手)
思えばこのさわおさんのコメントに違和感はありました。
ファンへの感謝の言葉と自分の信念を貫いてthe pillowsを続けてきたことを語ってくれましたが、いつもクールさを保ちつつ楽し気に明るく話すさわおさんにしては珍しいコメントだな、と聴いてましたが、最後の言葉に一瞬だけ言葉に詰まったような涙声になり「あれっ」と思いました。
この時は「まさか解散ということはないだろう」と思いましたが"解散""活動休止"という言葉が過ったのは確かです。
アンコールブレイクBGM: blank
そして鳴りやまぬBUSTERSの拍手の中、2度目のアンコール。
メンバーとステージ上でビールで乾杯。
ファン歴が長くてもライブ参加数が少ない私はツアーの最終日にはたまに光景は結構あるのだろと思ってましたがここでもまた違和感が.....
もう、なんもいう事ねえよ。
(観客笑)あったあった、今日は来てくれてありがとう。
the pillows はテレビに出るバンドじゃないから。
深くうなずいている.....(観客笑)
そういうライブハウスでやるバンドだと、エンターテインメントは関係ないのかなと思っていたんだけど、よくよく考えたら、体調悪い時、わざわざみんなに今日体調悪いからって言わないじゃない。当たり前だけど調子のよい振りしたり.....
なんだこの面白くない話は!
(観客笑)
やめよう!
何が言いたいかというと.....
観客が口をはさむ
うるせーな!俺の許可が必要なんだ
(観客笑)
何が言いたいかというと、俺らみたいなポジションのバンドでもエンターテインメントの端っこにいて、ファンがこうであってほしい、といったそういう声が俺にも届いたりする。でも、俺は空気を読まず勝手にやってた。
俺は空気を読まず勝手にやってた!それが俺のミュージックライフの全てだ。
(観客拍手)
(2分程静かになる)
今、正に空気を読まず勝手にしています!
(観客笑)楽しかったよ。
じゃ、最後の曲な。
ここの"最後の"という言葉が心に引っかかったのも確か。
アンコール #2:
22曲目:EMERALD CITY ※ From Album [HORN AGAIN]
「ありがとう」といって the pillows はステージから去っていきました。
2時間弱のライブはあっという間だけど充実感は半端ない。
いつものthe pillows らしい楽しいライブでした。
おわりに・・・
Zeppを出た時には「今日もthe pillow マジックに酔えた最高の夜だった~、また来たいな~」と思って帰路につきました。この時にはライブで心に引っかかった"解散"という言葉が吹っ飛んていたのは確か。解散するまでついてくぞ~と思ったらまさか次の日とは.....
the pillows が終わる日がくるなんて思ってなかったけど、残してくれた22作にも及ぶオリジナル・アルバムはまだまだ聴き込みがたりません。
だけど解散となるとやっぱりそれらのアルバムからはどうしても離れてしまう。
バンドを思い出す機会がなくなってしまうから。
今は複雑な気持ちだけどエバーグリーンなご機嫌なロックンロール(死語だけどそうとしか言えません)を普通に聴き直せるようになる日がくることを願います。
好きなバンドは? と音楽の話題になった時に真っ先に思い浮かぶ国内のバンドがhe pillows。
「なにそれ?」「あ~、あまりピンとこないんだよね」と言われるたびに「絶対いいから聴いてみて!」と答えてた。(その先に続くストーリーはないのが寂しいですが.....)
残念ながらthe pillows に代わるバンドなんていないです。
自分にとってはビートルズだから。
the pillows がサヨナラを告げた以上、潔く再会は望まないようにします。
"if ..... Again" と考えてその日が来ないのはさみしすぎるし。
だけどthe pillows はこれからも一生を通して自分の中に生き続けるバンドであることは確かです。
悔やまれるのが出不精なのでライブには数回しか行けなかった事かな。
それでも予告無しの解散ライブに参戦することが出来のはずっとthe pillowsを好きだった自分へのご褒美だったと思うようにします。
ではまた。
最後まで見ていただきありがとうございました!
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