歌詞和訳 〜キラクにキママにマジメにホンヤク〜

洋楽ときどき邦楽。好きな歌の和訳に歌の解説とエピソードを。思い出も添えて。

【歌詞和訳】luther (with sza) - Kendric Lamar

今日はKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)の2024年11月22日にリリースされた[luther (ルーサー)]を和訳してみます。

歌詞と和訳だけ見たい方は下の目次の「歌詞/和訳」クリックしてください。

 

GNX [Explicit]

ザ・トラック・オブ・ザ・デイ

  • 曲名: luther (ルーサー)
  • アーティスト名: Kendrick Lamar feat.SZA
    (ケンドリック・ラマー・フィーチャリング・SZA)
  • 収録アルバム: GNX  *Track 3
  • アルバムリリース日:2024年11月22日

 

Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)は、アメリカはカリフォルニア州、コンプトン出身のラッパー、ソングライターです。

この曲[luther (ルーサー)]は2024年11月22日に緊急リリースされた6枚目のオリジナル・アルバム[GNX]に収録され、アルバムの3曲目に収録されてます。


ケンドリックは、2015年の3作目のアルバム[To Pimp A Butterfly (トゥ・ピンプ・ア・バタフライ)]でグラミー賞の最優秀ラップアルバム賞を受賞し、次の2017年リリースの4作目[DAMN.]ではグラミー賞だけでなく、2018年にはピューリッツァー賞の音楽部門を受賞しています。

ピューリッツァー賞は、アメリカの報道・文学・音楽の分野で卓越した業績を上げた人に対して贈られる賞であり、音楽部門でジャズ・クラシック以外のジャンルから選ばれたのはケンドリックが初めて、そして両アルバムともアメリカのBillboard Top 200アルバムチャートでは1位を記録しています。


今作は2022年のアルバム[Mr. Morale & the Big Steppers (ミスター・モラル&ザ・ビッグ・ステッパーズ)]以来、2年半ぶりの6作目のアルバムです。

11月下旬時点では今年はもう大物アーティストの最新アルバムのリリースはないかなと思っていたところに現在のヒップホップ界王者が驚きの緊急リリース。
アメリカは11月22日の昼頃に、日本では11月23日AM時頃になんの前触れもなくリリースされました。


ケンドリックといえば今年はドレイクとのビーフが今年3月から5,6月にピークになり、誰が見てもケンドリックが圧勝し、ネタ曲のシングル[Not Like Us]が大ヒット。

また2025年2月のNFLスーパーボウルのハーフタイム・ショーに出演が決定。
開催場所がニューオーリンズでご当地出身のリル・ウェインではなくなぜケンドリックなのと批判もあったり相変わらず話題に事欠きませんが、このアルバムでは外野の声に反応してスーパーボウルやニューオリンズにも触れてリリックで反応したり、一連のビーフ騒動の熱さと勢いを引きずっているアルバムです。


そんなととどまるところを知らないスーパースターののアルバムから何曲か和訳してみたいと思います。

今回和訳する[luther]は1967年のマーヴィン・ゲイ&タミー・テレルが原曲で、シェリル・リンとルーサー・ヴァンドロスの[If This World Were Mine]がサンプリングされています。

タイトルになっていることとオープニング等でルーサーのヴォーカルが印象的に使われることを考えると54才と若くして亡くなったルーサーをオマージュして作られた曲かな。


なお英詞は"genius.com"から引用し、Spotify から補足しています。
和訳後の感想や曲のエピソードは歌詞の下に記載しています。


Kendrick Lamar - luther (Official Audio)

 

歌詞/和訳

Title : Luther
Producer : Sounwave, Jack Antonoff, Cardo Got Wings, Kamasi Washington, Scott Bridgeway, Roselilah & Matthew "MTech" Bernard
Writer : Kendrick Lamar, SZA, Sam Dew, Ink, Roselilah, Sounwave, Cardo Got Wings, Jack Antonoff, Matthew "MTech" Bernard, Kamasi Washington & Scott Bridgeway


[Intro]
If this world were mine

世界が私のものなら


[Verse 1: Kendrick Lamar]
Hey, Roman numeral *1 seven, bae, drop it like it's hot
If this world was mine, I'd take your dreams and make 'em multiply *2

If this world was mine, I'd take your enemies in front of God
Introduce 'em to that light, hit them strictly with that fire
Fah-fah, fah-fah-fah, fah-fah, fah

おい、数字の「7」を見せつけよう
世界が俺のものなら、君の夢を奪って大きくしてやる
世界が俺のものなら、君の敵を神の前に突き出してやる
光を導びき、炎で厳しく打ちのめしてやる
ファファ、ファファファ、ファファ、ファ


Hey, Roman numeral seven, bae, drop it like it's hot
If this world was mine, I'd take your dreams and make 'em multiply
If this world was mine, I'd take your enemies in front of God
Introduce 'em to that light, hit them strictly with that fire
It's a vibe, do your dance, let 'em watch
She a fan, he a flop *3 , they just wanna kumbaya *4 , nah


おい、数字の「7」を見せつけよう
世界が俺のものなら、君の夢を奪って大きくしてやる
世界が俺のものなら、君の敵を神の前に突き出してやる
光を導びき、炎で厳しく打ちのめしてやる
気持ちよくダンスして、奴らに見せつけよう
彼女はファンで、アイツは倒れる、能天気な奴らだよ


[Chorus: SZA, SZA & Kendrick Lamar]
In this world, concrete flowers grow
Heartache, she only doin' what she know
Weekends, get it poppin' on the low
Better days comin' for sure
If this world were—
If it was up to me
I wouldn't give these nobodies no sympathy
I'd take away the pain, I'd give you everything
I just wanna see you win, wanna see
If this world were mine

この世界ではコンクリートでも花は育つ
心が痛む、彼女は知っていることをやってるだけ
週末は静かに盛り上がる
より良い日が訪れるはず
もしこの世界が…
私次第なら
彼らに同情なんてしない
痛みを取り去り、君に全て捧げる
君が勝つのを見たいんだ
世界が私のものなら


[Verse 2: Kendrick Lamar & SZA]
It go in (When you), out (Ride it), do it real slow (Slide)
Baby, you a star, strike, pose
When I'm (When you), with you (With me), everything goes (Slow)
Come and (Put that), put that (On my), on my (Titi), soul (Soul)
'Rari (Red), crown (Stack), wrist (Stay), froze (Really)
Drip (Tell me), pound (If you), on the way home (Love me)


入って (君は)、出て行く (乗りながら)、ゆっくりと (滑ってく)
君はスターだ、ポーズを決めて
私は(君は)、君と一緒(俺と共に)、全て上手く行く(ゆっくりと)
来て (置いて) 、置いて (俺の) 、私の (いたずらな) 、魂を(心を) 
フェラーリ(赤の)、王冠(たくさんの)、手首が(とどまる)、凍りつく(本当に)
滴る(教えて)、ドキドキが (君が)、家に帰る途中で (愛してるなら)


[Chorus: Kendrick Lamar & SZA]
In this world, concrete flowers grow
Heartache, she only doin' what she know
Weekends, get it poppin' on the low
Better days comin' for sure
If this world were—
If it was up to me
I wouldn't give these nobodies no sympathy
I'd take away the pain, I'd give you everything
I just wanna see you win, wanna see
If this world were mine

この世界ではコンクリートでも花は育つ
心が痛む、彼女は知っていることをやってるだけ
週末は静かに盛り上がる
より良い日が訪れるはず
もしこの世界が…
私次第なら
彼らに同情なんてしない
痛みを取り去り、君に全て捧げる
君が勝つのを見たいんだ
世界が私のものなら


[Verse 3: Kendrick Lamar & SZA]
I can't lie
I trust you, I love you, I won't waste your time
I turn it off just so I can turn you on
I'ma make you say it loud
I'm not even trippin', I won't stress you out
I might even settle down for you, I'ma show you I'm a pro
I'ma take my time and turn it off
Just so I can turn you on, baby
Weekends, get it poppin' on the low
Better days comin' for sure

嘘はつかない
君を信頼し、愛し、時間を無駄にしない
君をその気にさせるためにスイッチを切るよ
君に大きな声を言わせるんだ
酔ってるわけじゃない、君にストレスを与えない
君のために落ち着こう、俺はプロだと示すんだ
時間をかけてスイッチを切るよ
君をその気にさせるためならね
週末は、静かに盛り上がろう
より良い日が訪れるはず


[Outro: SZA]
I know you're comin' for
Better days
If this world were mine

君は求めてるんだね
より良い日を
世界が私のものなら

 

トラック・インプレッション

ルーサー・ヴァンドロスは主に80年代に活躍したいわゆるブラック・コンテンポラリー界の第一人者です。

今聴くと本当に優しくスウィートで何とも言えない包容力のあるヴォーカリストなのですが当時はかったるくて聴く気になれなかったんですよね。

そんなルーサーのスウィートバラードの真骨頂のような曲を雰囲気を保ちつつ今のR&B/ヒップホップによみがえらせたのがこの曲です。

 

流れるようなケンドリックのリリックとSZAの優しいソウルフルなヴォーカルの相性は抜群で、なかなかナイスで痺れるメローなラブ・ラップ・ソングです。

ケンドリックのヴァースは落ち着いたフローながらもリリックは恋人に光と力を与える強い思いが描かれ、SZAがメインのコーラスでは彼を落ち着かせるように冷静に愛を伝えてるようです。 

ケンドリックとSZAのヴォーカルが交互に歌われるセカンドヴァースはお互いを高めて励まし合うようなパート実はここが一番和訳に自信がなかったります。スミマセン.....

そこから先のコーラスに雪崩れ込むところからが一番の聴きどころで少しゴージャスに盛り上がっていきアウトロのメロディアスな展開が素敵です。
ここら辺はプロデュースに関わったジャック・アントノフの手腕によるところもありそうです。


最後まで見て頂きありがとうございました!

ではまた。

 

ランキングに参加しております。
よろしければクリックして貴重な1票をお願いします! 

*1:numeral 数詞、数字、数表示<by 英辞郎>

*2:multiply 〔~を〕増す、増やす、増加させる<by 英辞郎>>

*3:flop ドスンと落ちる音、バタンと倒れる音<by 英辞郎>

*4:kumbaya 〈主に米〉〔現実の複雑さや困難を無視した〕非現実的な理想主義、能天気な[過度に楽観的な]考え[発想]<by 英辞郎>