今日はBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)の Skinny(スキニー)です。
ストレートに訳すと「痩せこけた」です。
一聴した限りでは静かなアルバムのオープニングソングといった印象です。
歌詞と和訳だけ見たい方は下の目次の「歌詞/和訳」クリックしてください。
ザ・トラック・オブ・ザ・デイ
- トラック名: Skinny(スキニー)
- アーティスト名: Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)
- 収録アルバム: Hit Me Hard And Soft (ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト) *Track 1
- アルバムリリース日:2024年5月17日
ビリー・アイリッシュは、アメリカはカリフォルニア州ロサンゼルス出身のボーカリスト、シンガーソングライターです。
今日はビリーの2024年5月17日にリリースされた3枚目のオリジナル・アルバム「Hit Me Hard And Soft (ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト)」から、1曲目の[Skinny]です。
ビリーは2015年、13歳だったころから音楽配信サービスのSoundCloud等で楽曲配信を開始し、[Ocean Eyes]等の曲で注目を集めていきました。
この曲は実兄フィニアス・オコネルが作詞とプロデュースをしており、現在までフィニアスと共同作業を行っています。
2019年のデビュー・アルバム[When We All Fall Asleep, Where Do We Go?]が、アメリカ、イギリスをはじめ全世界18の国と地域で1位を獲得。
アメリカのビルボード・アルバム・チャート(Billboard 200)の年間アルバム・チャートでは史上最年少で1位となりました。
ちなみに日本ではオリコンチャート41位まで上昇しますが、それ以上にストリーミングでの再生により日本での知名度を上げていきました。
このアルバムからの5thシングルの[Bad Guy]も全米シングルチャートのナンバーワンとなり、一躍時の人になります。
日本でもドラマの主題歌にもなりヒットしました。
2021年7月にはセカンド・アルバム[Happier Than Ever]をリリースし、このアルバムもアメリカ、イギリス含む全15か国で1位を獲得し、[Therefore I am]や[Your Power]といったヒット曲も生まれました。
そして2024年5月にリリースされた約3年ぶりとなるサード・アルバムが[Hit Me Hard And Soft]。
セカンド・アルバムではリード・トラックとしてシングル曲をリリースしていき話題を集めてからのアルバムリリースでしたが、今作はリードシングルや既発曲は一切なし。
ベールに包まれた形でのリリースとなりました。
今回は少しジャジーでクリアーなエレクトリック・ギターから始まり後半はストリングスが絡んでくる静かな曲です。
一聴した感想としてはヴォーカリスト ビリーのアーティスト性がさらに高まり、曲の求心力が増したなと言う印象です。
そんなグッとリスナーを掴むオープニング・ナンバーを和訳していきます。
なお英詞は"genius.com"から引用しつつ、Apple Music/Spotifyから補足しています。
和訳後の感想は歌詞の下に記載しています。
歌詞/和訳
Title : Skinny
Producer : FINNEAS
Writer : Billie Eilish & FINNEAS
[Verse 1]
Fell in love for the first time
With a friend, it's a good sign
Feelin' off(*1) when I feel fine
Twenty-one took a lifetime
People say I look happy
Just because I got skinny
But the old me is still me and maybe the real me
And I think she's pretty
初めて恋に落ちた
恋の相手は友達で、良い予感がする
気分が良い時って違和感を感じる
21年間の人生
みんな私が幸せそうだって言う
痩せたからといって、
以前の私も私だし、私は変わっていないし、私のままなんだ
そして私はそうな彼女が可愛いと思う
*1
[Chorus]
And I still cry
Cry
And you know why
だけど私はずっと泣いている
泣いている
何故だかわかるかな
[Verse 2]
Am I acting my age now?
Am I already on the way out(*2)?
When I step off the stage, I'm a bird in a cage
I'm a dog in a dog pound(*3)
And you said I was your secret
And you didn't get to keep it
And the internet is hungry for the meanest(*4) kinda(*5) funny
And somebody's gotta feed it
自分の同世代の人みたいに振る舞っているかな?
もうすでに逃げているんだろうか?
ステージから降りると、私は鳥籠の中の鳥
私は檻の中の犬
私は秘密めいた存在だったけど
みんな私をそのままにしてくれなかった
インターネットは卑劣でおかしくて笑ってしまうようなものを求めている
誰かがちゃんと育てていかなくてはいけないんだ
[Chorus]
Oh, do you still cry?
Still cry
Cry
まだ泣いてるの?
泣いている
泣いてしまう
[Bridge]
I, I never did you wrong (Never did you wrong)
And my (Oh), my patience is gone (Is gone)
And I (I), I never did you wrong (You)
I, I loved you for so long (Hmm)
私は間違ったことしていない (間違ったことしていない)
そして、もう耐えられない (耐えられない)
私は間違ったことしていない(あなたに対して)
みんなをずっと愛してきたのに
[Instrumental Outro]
注釈
(*1) feel off 調子がいまいち、違和感を覚える
(*2) the way out 逃げ道
(*3) dog pound さまよっていたりつながれていないイヌのための公共の檻(by Expedia)
(*4) mean 卑劣な、けちな
(*5) kinda "kind of"の短縮形で、「~のような」「~の一種」という意味。
スラングとしての[kinda]は"ちょっと""ある程度""多少"といった意味がある (by Weblio辞書)
トラック・インプレッション
ビリーのSNSやニュースをしっかり見ているわけではないですが、ここのところ外見等に関する誹謗中傷へ辟易している内容をよく見ます。
そんな周囲のざわめきへの率直な思いを歌った曲です。
歌い出しでは誰かを好きになってもどこか不安を感じてしまう感情が綴られます。
そして、成功して幸せだと言われるけど、その代償として誹謗中傷を受けることへの嫌悪感、そして自分は自分のままで変わってないのにという違和感。
世間から注目を浴びすぎてがんじがらめになり、檻の中にいるような孤立感。
そしてそんな世界と対峙しなくてはならない、という言葉が一言示されます。
ただ最後にはもう我慢できなくなってしまった、みんな(ファンを中心とした人のこととを指していると思います)のことを好だったのにという吐露が過去形で歌われています。
これから先、2曲目以降、この先どうなるのだろう、ビリーはこれから何を歌っているのだろうと思わせる曲です。
ではまた。
*1:ここでの"she"は"me"であり自分のことだと思う